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おねが
これやモウ
程なく十
時になるが
關は
泊つて
行つて
宜いのかの、
歸るならば
最も
歸らねば
成るまいぞと
氣を
引いて
見る
親の
顏、
娘は
今更のやうに
見上げて
御父樣私は
御願ひがあつて
出たので
御座ります
知らぬ
身のお
八重が
素振り
得も
察せず
氣の
毒や
我身大事にかけるとて
痩せ
見ゆるほど
心配させし
和女の
情は
忘れぬなり
左りながら
如何ほど
盡くしてくるゝ
共なるまじき
願ひぞとは
漸〻に
斷念たり
夫につきて
又別に
父樣母さまへの
御願ひあれど
御二
タ方なり
和女なりに
歎きを