“いちやう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
一様33.3%
銀杏33.3%
一樣22.2%
銀杏樹11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それは一様いちやう緋羅紗ひらしやのづぼんを穿いた二人ふたり騎兵きへいで——いたとき——莞爾につこりわらつて、両方りやうほうから左右さいうで、おうやうにわたし天窓あたまをなでゝ、そしてひきあつてだまつてさかをのぼつてつた
化鳥 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
一つ一つ灯がつく、いろどられた銀杏いちやうの淋しさに鳥は鳴いてゆくのであつた。彼女はその時初めて心のなかにうつした男の戀しさを考へたのである。
三十三の死 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
かたむいてるがこと/″\一樣いちやうむきにではなく、あるものはみなみはうへ、あるものはきたはうへ、また西にしはうへ、ひがしはうへ、てん/″\ばら/\になつて、このかぜのない、そられた、くもりのない、水面すゐめんのそよ/\とした
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
夕日の眞赤な光が對岸の緑の平野の上に被ひかぶさつて、地平線を凸凹でこぼこにする銀杏樹いちやうらしい、またけやきらしい樹の塊りは、丁度火災の時のやうに、氣味わるく黒ずんでゐる。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
今言つた二階は大きな銀杏樹いちやうと柿の樹との爲めに好く見えないが、少年は二階の欄干を越えて母屋おもやの屋根へ出ると、そのままぐるりと表の方へ𢌞り、そして難なく二階の屋根へ出るやうである。
少年の死 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)