“いたつき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
病気35.3%
病氣17.6%
11.8%
平題5.9%
板付5.9%
板附5.9%
疾病5.9%
病臥5.9%
病褥5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そなたが、わたしの病気いたつきの種を、知らぬなぞと言わせませぬぞ、そなただけが知っていること——みんなみんな、一目、逢うてからの、この悩みではござりませぬか?」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
『珍らしや瀧口、此程より病氣いたつきの由にて予が熊野參籠の折より見えざりしが、僅の間に痛く痩せ衰へし其方が顏容かほかたち、日頃鬼とも組まんず勇士も身内の敵には勝たれぬよな、病は癒えしか』
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
いたつきの今朝やまされる、 青き套門を入るなし。
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
足下あしもとに落ちたものがある。平題いたつきであった。
弓道中祖伝 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
いんやけえらねえッたらけえられねえや、どうせ細った素首そっくびだから三尺たけい処へ板付いたつきになって、小塚原か鈴ヶ森へさらされた時に、あゝい気味だと云って笑って下せえ
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひたさにようなきかど二度にど三度さんど、と心意氣こゝろいきにて、ソツと白壁しろかべ黒塀くろべいについてとほるものを、「あいつ板附いたつきはべん」と洒落しやれあり、ふる洒落しやれなるべし。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
この体態ていたらくを見て、事の由来おこりを尋ぬるに、黄金丸はありし仕末を落ちなく語れば。鷲郎もその功労てがらを称賛しつ、「かくては御身が疾病いたつきも、遠ほからずして癒ゆべし」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
こよひあつるる病臥いたつきなやみのもなか
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
「そういえば、如意輪にょいりん観世音がご信仰で、月ごとに、ご参詣に見えておいでだが、この春ごろからお姿を見たことがない。——もしや、お病褥いたつきではないかと、わしらは、案じているのじゃ」
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)