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いうこ
ら
降たつ
後姿見送る
物はお
八重のみならず
優子も
部屋の
障子細目に
明けて
言はれぬ
心〻を三
郎一人すゞしげに
行々吟ずる
詩きゝたし
思ふに
男心の
頼みがたさよ
我れ
周旋する
身として
事整ふは
嬉しけれど
優子どのゝ
心宜く
見えたり三
郎喜こびしと
傳へ
給へとは
餘りといへど
昔しを
寄せしが
又故にホヽと
笑つて
孃さま
一寸と
御覽遊ばせ
此マア
樣子の
可笑しいことよと
面白げに
誘はれて
何ぞとばかり
立出る
優子お
八重は
何故に
其樣なことが
可笑しいぞ
私しには
何とも
無きを