“あんせい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
安政67.7%
安静9.7%
黯青9.7%
安靜3.2%
安清3.2%
安棲3.2%
安西3.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このお爺さんこそ安政あんせいの末から万延まんえん文久ぶんきゅう元治がんじ、慶応へかけて江戸花川戸はなかわどで早耳の三次と謳われた捕物の名人であることがわかった。
いく日かのあいだかれはその手に絶対ぜったい安静あんせいをあたえなければならなかった。ガスパールおじさんはがっかりしていた。
黯青あんせいに光る空。白く光る水。時々ポチヤンと音して、魚がはねる。水際みぎはの林では、宿鳥ねどりが物に驚いてがさがさ飛び出す。ブヨだか蚊だか小さな聲で唸つて居る。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
彼女かのぢよが三週間しうかん安靜あんせいを、蒲團ふとんうへむさぼらなければならないやうに、生理的せいりてきひられてゐるあひだ彼女かのぢよ鼓膜こまくこの呪咀のろひこゑほとんどえずつてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
たゞくちさきで、るべく安靜あんせいにしてゐなくては不可いけないと矛盾むじゆんした助言じよごんあたへた。御米およね微笑びせうして
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
酒井安清あんせいは全く他書には見えない。門人録は一の酒井氏をも載せない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
曰河村元監げんかん。父を意作いさくと云ふ。門人録に「藩」と註してあるから、阿部家の臣であらう。曰酒井安清あんせい。小川吉右衛門の甥である。小川は常陸国府中の城主松平播磨守頼説よりのぶの臣である。曰小林玄端。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
山を輪切りにしたところの御中道を彷徨ほうこうする私は、路の出入に随って、天に上り、地を下る、その間を、鳥と、虫と、石楠花が、永久安棲あんせいの楽土としている。
不尽の高根 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
安西あんせいから北山ほくざん山脈をこえて、トルファン盆地へ出ると、そこは北に積雪のボグド・ウラ、南はクルック・タグの侵蝕丘陵地帯に挟まれた流出口のない低地である。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)