“こうけつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
膏血57.5%
高潔12.5%
纐纈5.0%
壙穴5.0%
皎潔5.0%
皓潔5.0%
紅血5.0%
坑穴2.5%
孔穴2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
農民の膏血こうけつをしぼって得られたものであり、それへの反感であった、とか、彼の右腕は世間を欺瞞しているから、というような。
石太郎が弁解しなかったのは、他人の罪をきて出ようというごとき高潔こうけつな動機からでなく、かれが、歯がゆいほどのぐずだったからにすぎない。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
露骨に云えばたぶらかされていたのだ。だが今は正気となった。憑物つきものは離れてしまった。ああそれにしても纐纈こうけつ布は、なんと俺には宿命であったろう
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それはなんだかかぶとはちのような格好にも見られた。灰色の壙穴こうけつの底に朽ち残った戦衣のくずといったような気もした。
簔虫と蜘蛛 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
葉石にしてもしこの書を見ば、定めて良心に恥じ入りたらん、妾の軽率をいきどおりもしたらん、妾は余りに一徹なりき、彼が皎潔こうけつの愛をけがし、神聖なる恋を蹂躙じゅうりんせしをば、如何いかにしても黙止もくししがたく
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
傳へいふ、初めこの皓潔こうけつ玉の如き卓を發掘せしとき、工夫は驚喜の餘、覺えず聲を放ちて叫びぬと。されど我を動すことこれより深かりしは、色褪せたる人骨と灰に印せる美しき婦人の乳房となりき。
まとなきにを放つのではない。男といはず女といはず、既に十三、十四、十五、十六、といふ年齡の五十幾人のうら若い胸、それがすなはち火を待つばかりに紅血こうけつの油を盛つた青春の火盞ひざらではないか。
雲は天才である (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
伊那丸いなまるのまえには、いまや、おそるべき死の坑穴こうけつが何者かの手で掘られている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冬時とうじこのかは灌水くわんすゐおこなふには、あらかじ身體しんたいるゝに孔穴こうけつこほりやぶりてまうき、朝夕あさゆふこの孔穴こうけつぼつして灌水くわんすゐおこなふ。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)