纐纈こうけつ)” の例文
追立の役人十数騎の中に、特にゆるしをうけたものとみえ、叔父の祐範と纐纈こうけつ源吾のふたりの顔もじって後からいて来る。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
露骨に云えばたぶらかされていたのだ。だが今は正気となった。憑物つきものは離れてしまった。ああそれにしても纐纈こうけつ布は、なんと俺には宿命であったろう
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それが俺に売り付けたのだ、纐纈こうけつ布を、紅巾を! それには父の名が書いてあった。幼年で別れた父の名が。そこで俺は脱走した。甲府の館を、武田家を! そうだ父を見付けようために。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
纐纈こうけつ源吾盛安もすり寄って、早口に
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)