高潔こうけつ)” の例文
ぼくはいまはじめてきみの高潔こうけつな心を知った、きみがつねに冒険をひきうけたのは、弟をかばうあたたかい心からだったのだ
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
石太郎が弁解しなかったのは、他人の罪をきて出ようというごとき高潔こうけつな動機からでなく、かれが、歯がゆいほどのぐずだったからにすぎない。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
貴方あなたなどは、才智さいちすぐれ、高潔こうけつではあり、ははちちとも高尚こうしょう感情かんじょう吸込すいこまれたかたですが、実際じっさい生活せいかつるやいなやただちつかれて病気びょうきになってしまわれたです。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
高潔こうけつなる紳士しんしのごとくある社会の一部には持てはやされがちのものである。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
わたしかんがえるに、そのむすめは、詩人しじんというものじゃ。宝石ほうせきよりそらほしうつくしいとは、いまどきには、めずらしい高潔こうけつ思想しそうじゃ。平常ふだんしずんでいるのも、ものをいわないのもよくわかるようながする。
笑わない娘 (新字新仮名) / 小川未明(著)