)” の例文
めてそんなものが一ぷくでもあつたらとおもつた。けれどもそれ自分じぶん呼吸こきふする空氣くうきとゞくうちには、ちてゐないものとあきらめてゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
まる年間ねんかん小言こごとはず、うらみもはず、たゞ御返事ごへんじつてります』でめられたのだからたまらない。をとこはとう/\落城らくじやうした。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
この深夜しんや、一体何ごとが起ったというのであろう。ジュリアをめる男は誰人だれ? そして地底に現われた吸血鬼は、そも何処にひそめる?
恐怖の口笛 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そいつを本庄鬼六さまから名越殿にとどけ、敵の水ノ手をつ急所のにつかおうというんでさあね。何しろたいへんなもンなんで
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わたしは仲間なかまがこんなにひどい空腹くうふくめられているのを見て、そういう運命がわたしの上にも向いて来やしないかとおそれた。
こう、わたしは、おもったのです。そのときから、自分じぶんは、なにかわるいことをしているような、とりるたびに、良心りょうしんめるものがありました。
自由 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「まアせくな、その雨戸を締めた奴が下手人だと言ふわけぢやない。お前はこれから引返して、あの小僧を一とめ責めて見る氣はないか」
またなんじらのためにすべてのひとにくまれん。されどおわりまでしのぶものはすくわるべし。このまちにて、めらるるときは、かのまちのがれよ。
斜陽 (新字新仮名) / 太宰治(著)
俊寛 たとえ地獄の火に焼かるるとも清盛きよもりのろい殺さずにはおかないぞ。彼を火の中に呪い落として永劫にめさいなまずにはおかないぞ。
俊寛 (新字新仮名) / 倉田百三(著)
従類じうるゐ眷属けんぞくりたかつて、げつろしつさいなむ、しもと呵責かしやく魔界まかい清涼剤きつけぢや、しづか差置さしおけば人間にんげん気病きやみぬとな……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
おのれをつるには、そのうたがいを処するなかれ。その疑いを処すればすなわちしゃもちうるのこころざし多くず。人にほどこすにはそのほうむるなかれ。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
技法ぎはふ尖鋭せんえい慧敏けいびんさは如何いかほどまでもたふとばれていいはずだが、やたらに相手あひて技法ぎはふ神經しんけいがらして、惡打あくだいかのゝしり、不覺ふかくあやまちをとが
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
今更如何いかめたりともそのかいあらんようなく、かえって恥をひけらかすにとどまるべしと、かついさめかつなだめけるに、ようように得心とくしんし給う。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
大空の神のお子がおくだりになろうとするのに、そのお通り道をさまたげているおまえは何者かと、しっかりめただして来い
古事記物語 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
サアそう成るとお勢は矢もたてたまらず、急に入塾が仕たくなる。何でもかでもと親をがむ、寝言にまで言ッて責がむ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
下宿屋げしゆくや下婢かひかれあざけりてそのすところなきをむるや「かんがへることす」とひて田舍娘いなかむすめおどろかし、故郷こきやうよりの音信いんしんはゝいもととの愛情あいじやうしめして
罪と罰(内田不知庵訳) (旧字旧仮名) / 北村透谷(著)
然りしこうして今このめに任ずる者は、他なし、ただ一種わが党の学者あるのみ。学者勉めざるべからず。けだしこれを思うはこれを学ぶにかず。
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
がツかりしてかへつて、食卓しよくたくにつきながら、把手とつて一箇ひとつ家人かじんしめして、これがめて土偶どぐうかほでもつたら、昨日きのふ敗軍はいぐん盛返もりかへすものをとつぶやくと
めてつかへんかそれなんとしてもなることならずてもかくてもなればひとはぬ深山みやまおくにかきこもりて松風まつかぜみゝ
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今もなお往時むかしながらの阿蒙あもうなるに慚愧ざんきの情身をむれば、他を見るにつけこれにすら悲しさ増して言葉も出でず。
突貫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
痛みに堪えかねて、眼球を転ずることさえ叶わず、実に四苦八苦のめにいしも、もと捨てたりし命を図らずも拾いしに、予に於てごうも憂うるに足らず。
また豊野の停車場にては、小荷物あずけんといいしに、聞届ききとどけがたしと、官員がほしていいしを、いためしに、後には何事をいいても、いらえせずなりぬ。
みちの記 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
私はたたずんだり寝転んだり仰いだり俯したりしながら、到る所私の過去の生活の罪の意識にめ苦しめられつつ、ただ何ということもなしに自然ひとりでに祈っていた。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
……かなしや/\、此身このみのやうな孱弱かよわものてんまでが陰謀たくらんでめさいなむ!……これ、乳母うば、どうせう? うれしいことをうてたも。なんなぐさめはないかいの?
なによりうそではない證據しようこ——」それは勿論もちろん陪審官ばいしんくわんで——「それをもめよとふのなら」——それは女王ぢよわうちがひない「一たいまへうする?」——うする
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
期待きたいしてあるものにはかうばられたやう絶望ぜつばうとが混淆こんかう紛糾ふんきうした自暴自棄やけ態度たいどもつておつぎをめた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「ははは。若旦那わかだんな」と、まつろうくちをはさんだ。「そいつァちとめが強過つよすぎやしょう。小僧こぞうさんにつみはねえんで。みんなあなたのわがままからじゃござんせんか」
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
申上げた所で多分何の役にも立ちませんし——危險かも知れません。また信じても戴けないでせう。けれども、私にはめられるやうなことはありませんでした。
からだをされるようにさえ思いました。はだかになって、生徒せいとといっしょに白い岩の上に立っていましたが、まるで太陽たいようの白い光にめられるように思いました。
イギリス海岸 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
もしぼくが私情がましき行為こういがあったら、どうか断乎だんことして、僕をめてくれたまえ、ねえドノバン
少年連盟 (新字新仮名) / 佐藤紅緑(著)
明神の山の木兎みみずくのごとくあまりにその耳をとがらしあまりにその眼を丸くし過ぎたりとむる人あらば如何。はて是非もなし。この責任のみは自分が負わねばならぬなり。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
今から七年前の秋、どんなにもして時を作り、源氏を改訳するめを果そうと急に思い立つときが来た。そしてすぐに書きはじめ書きつづけ、少い余命の終らぬ間を急いだ。
ゆえに我輩決して今にわかに父母たる者をして、十分その児を教育せんことをむるにあらず。
教育談 (新字新仮名) / 箕作秋坪(著)
嘘を吐け、一度二度じゃあるまい、と畳みかけてめつけると、到頭とうとう悉皆すっかり白状してしまいました
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
御身にかゝる成功ありしか。そはめてもの事なりき。此詞は我材能に疑を挾めるものなれば、われはそを聞きて快からずおもひぬ、されど恩惠の我口を塞げるを奈何せん。
わがために人汝らをののしり、まため、いつわりて各様の悪しきことを言うときは汝ら幸福なり。
彼女かのぢよはそのとき自分じぶん境遇きやうぐうをふりかへつて、再婚さいこんこゝろうごくのは無理むりもないことだとみづかさばいた。それを非難ひなんするひとがあつたならば、彼女かのぢよ反對はんたいにそのひとめたかもしれない。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
患者等かんじゃら油虫あぶらむし南京虫なんきんむしねずみやからてられて、んでいることも出来できぬと苦情くじょうう。器械きかいや、道具どうぐなどはなにもなく外科用げかよう刄物はものが二つあるだけで体温器たいおんきすらいのである。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
学士がくしですのなんのと云ツたところ味噌摺みそすりはふらずお辞義じぎ礼式れいしきじゆくせざれば何処どこいつてもけいしてとほざけらる〻が結局おちにてだしもけいさるゝだけをとくにしてめてもの大出来おほできといふべし。
為文学者経 (新字旧仮名) / 内田魯庵三文字屋金平(著)
こまった間違まちがいだな。」めるようにあたまりながら、生徒監は注意ちゅういした。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
その権幕けんまくおそれて、袖子そでこしたいばかりになった。そこへおはつんでて、いろいろわけをしたが、なにらないにいさんはわけからないという顔付かおつきで、しきりに袖子そでこめた。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三三あまさへ去年こぞの秋、三四京家の下知として、三五美濃の国郡上ぐじやうぬし三六とう下野守しもつけのかみ常縁つねより三七御旗みはたびて、三八下野の領所しるところにくだり、氏族しぞく三九千葉ちば実胤さねたねとはかりて四〇むるにより
(二七)桓公くわんこうじつ少姫せうきいかつて、みなみのかたさいおそふ。管仲くわんちうつてち、(二八)包茅はうばうの・周室しうしつ入貢にふこうせざるをむ。桓公くわんこうじつきたのかた山戎さんじうせいす、しかうして管仲くわんちうつてえんをして召公せうこうまつりごとをさめしむ。
この出来事において、明智の方にはむべき油断があった訳ではない。ただ、賊が、警察よりも、福田氏よりも、明智小五郎よりも、十歩も二十歩も先んじて、きょいて奇功きこうそうしたに過ぎないのだ。
魔術師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
まことに朕が訓導くんだうあきらかならざるにりて、民多く罪に入れり。めは一人ひとりに在り。兆庶てうしよあづかるにあらず。宜しく寛宥くわんいうを存せ令めて仁寿にんじゆのぼらせ、瑕穢かゑたらしてみずかあらたにする事を許すべし。天下に大赦だいしやし。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
医師はめて踏めと申したで。じゃが、痛うはござらぬかな。
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
『さらば、は。』『めそ、さな、さな、 ...
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
師も友も知らでめにき
一握の砂 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
けれども又淋しいかほをして、めて小供でも生きてゐて呉れたらさぞかつたらうと、つく/″\考へた事もありましたと自白した。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そしてそれからもヤリウス様をめ、あるいは自分でいろいろ書類などを調べ、水鉛の埋蔵場所を知ろうとしたが、だめだった。
時計屋敷の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)