“往時”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むかし72.5%
おうじ10.0%
わうじ7.5%
いにしへ2.5%
そのかみ2.5%
まえ2.5%
もと2.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
往時むかしは匪徒を伊豆の諸島に流すに、この橋のほとりと永代橋の畔より船を出すを例とし、かつこゝよりするものは帰期あるものと予定し
水の東京 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
上野寛永寺うえのかんえいじの楼閣は早く兵火にかか芝増上寺しばぞうじょうじの本堂も祝融しゅくゆうわざわいう事再三。谷中天王寺やなかてんのうじわずかに傾ける五重塔に往時おうじ名残なごりとどむるばかり。
日本にほん往時わうじ高層建築かうそうけんちくはおほくなかつた。たゞたふには十三ぢうまであり、城堡ぜうほうには七ぢう天守閣てんしゆかくまであり、宮室きうしつには三層閣さうかくれいがあるが、一ぱんには單層たんそう標準へうじゆんとする。
日本建築の発達と地震 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
往時いにしへはおろかなりけり。
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ありし往時そのかみ、玉の御座みくら大政おほまつりごとおごそかにきこしめさせ玉ひし頃は、三公九けいかうべれ百官諸司袂をつらねて恐れかしこみ、弓箭きうぜん武夫つはもの伎能の士、あらそつて君がため心を傾ぶけ操を励まし
二日物語 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
只今なれば起るのが十時でげすな、往時まえ巳刻よつと云った時分にようやく眼を覚して
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
そこは、往時もと女髪結で直樹の家へ出入して、直樹の母親の髪を結ったという老婆ばあさんが見つけてくれた家であった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)