“家人”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
けにん57.4%
かじん22.1%
ケニン5.9%
うちのもの1.5%
ハウスマン1.5%
うちのひと1.5%
おとな1.5%
がじん1.5%
しもべ1.5%
ひと1.5%
やかびと1.5%
イハビト1.5%
イヘビト1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
京都公家くげの官僚なる大江広元の輩までが、鎌倉に下ってその東夷あずまえびす家人けにんとなった。ここに至っては彼らはもはや決して賤民ではない。
家人かじんのようすにいくばくか不快ふかいいだいた使いの人らも、お政の苦衷くちゅうには同情どうじょうしたものか、こころよく飲食いんしょくして早そうにった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
だからさう言ふ夫や、家人ケニンにとり捲かれた有頂天な喜び、反省などは都に置き忘れて来たやうな生活をさせてやりたかつたのであらう。
『かげろふの日記』解説 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
家人うちのものが餌をやらないものだから、文鳥はとうとう死んでしまった。たのみもせぬものを籠へ入れて、しかも餌をやる義務さえ尽くさないのは残酷の至りだ」
文鳥 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一般にノルウェイの農場には、その大きさに比例して一定の数の既婚労働者が用いられており、それは家人ハウスマンと呼ばれている。
家人うちのひとが多いんですから何をげたらいいでしょうね。」
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
彼女は、自分をこんなに困らせる家人おとなを、自分も困らしてやろうとばかり考えた。暗いの遠い味噌蔵にはいっている、青大将もこわくなければ、いたずらに出てくるねずみにもれた。
ただそのさいなにより好都合こうつごうであったのは、ひめ父君ちちぎみめずらしく国元くにもとかえってられたことで、御自身ごじしん采配さいはいって家人がじん指図さしずし、心限こころかぎりの歓待もてなしをされために、すこしの手落ておちもなかったそうでございます。
家人しもべの群も多くあり、そこに、麗しく珍しき奇観もの多くあれど
ウスナの家 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
されども家人ひとは知らでありき
枯草 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
なお家人やかびとすなわちケニンを「家の子」とも「」(奴)とも云い、唐人からひとを「唐子」などいう類である。
マツのなみたる見れば、家人イハビトの ワレを見送ると、立たりしもころ
花の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
松の木の靡きすばかり、老い盛え木垂コダるを見るに、松の木の枝の靡き伏す斎戸イハヒトに——斎殿か、家人イヘビト又は斎人イハヒビトか——旅の我を後見ミオクる——家に残つた人の遠方から守らうとして
万葉集研究 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)