“苦衷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
くちゅう94.6%
くちゆう2.7%
こころ2.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
家人かじんのようすにいくばくか不快ふかいいだいた使いの人らも、お政の苦衷くちゅうには同情どうじょうしたものか、こころよく飲食いんしょくして早そうにった。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
その苦衷くちゆうを訴へるやうに打明けた孤独な心持も分るやうな気がして、何かそれに酬いるやうなことを言ひたかつたが、何も言ふ言葉を知らなかつた。
乳の匂ひ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「いや、なぜということもない。辛いのは誰しも同一おんなじだ。お前さんと平田の苦衷こころを察しると、私一人どうして来られるものか」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)