くれ)” の例文
男「はっ……あーびっくりした、はあーえら魂消たまげやした、あゝおっかねえ……何かぽく/\くれえ物が居ると思ったが、こけえらはむじなの出る処だから」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
なんだとうだつちんだらだつていまぺんつてろ、目玉めだまくれうちやさうはえがねえぞつちんだから
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
「善さんは、あんなに頭の毛が赤かあねえぞ、それに、もっとかおの色がくれえぞ」
大菩薩峠:28 Oceanの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あああ、あんなものがた、くれけむをふきだして……」
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
商人あきゅうどでも職人でもい男で、女の方は十九か廿歳はたちぐらいで色の白い、髪の毛の真黒まっくろな、まなこが細くって口元の可愛かえいらしいい女で、縞縮緬しまちりめんの小袖にわしイ見たことのくれえ革の羽織を着ていたから
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
さア出る処へ出てしれくれえを分けてやろう