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おにがみ
ふりがな文庫
“
鬼神
(
おにがみ
)” の例文
「今度
飛鳥
(
あすか
)
の
大臣様
(
おおおみさま
)
の御姫様が御二方、どうやら
鬼神
(
おにがみ
)
のたぐいにでもさらわれたと見えて、一晩の中に
御行方
(
おんゆくえ
)
が知れなくなった。」
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
○
僅
(
わづか
)
に
三十一
(
みそひと
)
文字を以てすら、目に見えぬ
鬼神
(
おにがみ
)
を感ぜしむる国柄なり。
況
(
いは
)
んや識者をや。目に見えぬものに驚くが如き、野暮なる今日の
御代
(
みよ
)
にはあらず。
青眼白頭
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
鬼の亭主に
鬼神
(
おにがみ
)
で、
大概
(
たいがい
)
の物に驚くような女ではありませんが、この時ばかりは全くギョッとしました。
銭形平次捕物控:021 雪の精
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
懸
(
かけ
)
平日
(
ふだん
)
百か二百の
端足
(
はした
)
錢
(
ぜに
)
さへ
勘定
(
かんぢやう
)
合
(
あは
)
ざれば
狂氣
(
きやうき
)
の如くに騷ぎ立る五兵衞なれば五十兩の事故
鬼神
(
おにがみ
)
の如く
憤
(
いきど
)
ほり居たる所へ番頭久八進み出て私し儀
幼少
(
えうせう
)
の時よりの御
恩澤
(
おんたく
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
あんな優雅な殿が、馬上となれば、
鬼神
(
おにがみ
)
も恐れるようなお人になるのかと、思わず疑われました。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
何を! 相手が
鬼神
(
おにがみ
)
だって、俺が必死に突っかかりゃあ、
打
(
ぶ
)
っ倒せねえことがあるものか——
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
……かねての風説、
鬼神
(
おにがみ
)
より、魔よりも、ここを恐しと存じておるゆえ、いささか
躊躇
(
ちゅうちょ
)
はいたしますが、既に、
私
(
わたくし
)
の、かく参ったを、認めております。こう云う中にも、たった今。
天守物語
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
やまと歌のやうに
天地
(
あめつち
)
を動かし
鬼神
(
おにがみ
)
を泣かすと云ふやうなはたらきはないが
川柳
(
せんりゆう
)
のやうに寸鐵骨をさすやうな妙は、たしかにある、古い詩ではあるが人情には變異はない、其の機微を穿つたもので
婚姻の媒酌
(旧字旧仮名)
/
榊亮三郎
(著)
この犬を相手にしたが最後、どんな恐しい
鬼神
(
おにがみ
)
でも、きっと
一噛
(
ひとか
)
みに噛み殺されてしまう。
犬と笛
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
たかが生ッ
白
(
ちろ
)
い
痩
(
や
)
せた野郎、
鬼神
(
おにがみ
)
ではあるめえ。一思いに
捻
(
ひね
)
り
潰
(
つぶ
)
してくりょう。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
加茂川は
鬼神
(
おにがみ
)
の心をも
和
(
やわら
)
ぐるという
歌人
(
うたびと
)
であるのみならず、その気立が優しく、その容貌も優しいので、鼻下、
頤
(
あぎと
)
に
髯
(
ひげ
)
は
貯
(
たくわ
)
えているが、それさえ人柄に依って威厳的に
可恐
(
こわら
)
しゅうはなく
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さて宗山とか云う盲人、
己
(
おの
)
が
不束
(
ふつつか
)
なを知って屈死した心、かくのごときは芸の上の
鬼神
(
おにがみ
)
なれば、自分は、
葬式
(
とむらい
)
の
送迎
(
おくりむかい
)
、墓に謡を手向きょう、と人々と約束して、私はその場から追出された。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鬼神
(
おにがみ
)
なりとて否むべきか。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“鬼神”の意味
《名詞》
鬼神(きじん、きしん)
人の耳目では見たり聞いたりすることができない超人的な能力を有するもの。
恐ろしい鬼。化け物。
(出典:Wiktionary)
“鬼神”の解説
鬼神(きじん、きしん、おにがみ)は、「きじん」または「きしん」と音読みした場合の第一義としては天地万物の霊魂あるいは神々を意味し、「おにがみ」と訓読みした場合は目に見えない精霊または荒々しく恐ろしい神を意味する。
(出典:Wikipedia)
鬼
常用漢字
中学
部首:⿁
10画
神
常用漢字
小3
部首:⽰
9画
“鬼神”で始まる語句
鬼神学
鬼神論
鬼神不測
鬼神仮面
鬼神変化
鬼神妖怪
鬼神新論
鬼神竜蛇
鬼神羅刹
鬼神集説