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鞍壺
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くらつぼ
ふりがな文庫
“
鞍壺
(
くらつぼ
)” の例文
龍太郎は、
黒鹿毛
(
くろかげ
)
にまたがって、
鞍壺
(
くらつぼ
)
のわきへ、梅雪をひッつるし、
一鞭
(
ひとむち
)
くれて走りだすと、山県蔦之助も、
遅
(
おく
)
れじものと、つづいていく。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
猿臂
(
ゑんぴ
)
をのばいたと見るほどに、早くも敵の大将を
鞍壺
(
くらつぼ
)
からひきぬいて、目もはるかな大空へ、
礫
(
つぶて
)
の如く投げ飛ばいた。
きりしとほろ上人伝
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
二人の
槍
(
やり
)
の穂先が
撓
(
しわ
)
って馬と馬の
鼻頭
(
はなづら
)
が合うとき、
鞍壺
(
くらつぼ
)
にたまらず落ちたが最後無難にこの関を
踰
(
こ
)
ゆる事は出来ぬ。
鎧
(
よろい
)
、
甲
(
かぶと
)
、馬
諸共
(
もろとも
)
に召し上げらるる。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
曲輪
(
くるわ
)
に溢れ、寄手の軍勢から一際鋭角を作って、大坂城の中へ
楔
(
くさび
)
のごとく食い入って行くのを見ると、他愛もない児童のように
鞍壺
(
くらつぼ
)
に躍り上って
欣
(
よろこ
)
んだ。
忠直卿行状記
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
鞭
(
むち
)
を振り上げて丹後守を打とうとした時に、何のはずみか
真逆
(
まっさか
)
さまに
鞍壺
(
くらつぼ
)
から
転
(
ころ
)
げ落ちて、馬は
棹立
(
さおだ
)
ちになった。
大菩薩峠:04 三輪の神杉の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
馬の胸から、腹、
鞍壺
(
くらつぼ
)
まで届くところもあった。もっと深いところになると馬を泳がせた。
現代語訳 平家物語:10 第十巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
耳が開いており、
鞍壺
(
くらつぼ
)
が深く、きれいな頭には黒い星が一つあって、首が長く、足も高く上がり、胸が張っていて、肩には丸みがあり、尻もしっかりしていた。高さは十五手幅の上もあったかな。
レ・ミゼラブル:07 第四部 叙情詩と叙事詩 プリューメ街の恋歌とサン・ドゥニ街の戦歌
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
と、気合するどく、わずかにくらの上で身をねじりましたから切っさきは、はずれて、馬の
鞍壺
(
くらつぼ
)
をきりつけましたが、さすがは間庭無念流の達人、左近将監はたちまち馬上に刃を抜きあわせました。
亡霊怪猫屋敷
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
秋葉の原は主人が騎兵上りで、ひととおり乗り方を教えてくれたが、誰も彼も新兵扱い、みずから馬の口を取って馬場を一周すると、この調子でと早くも突き放す。客は青くなって
鞍壺
(
くらつぼ
)
へしがみつく。
明治世相百話
(新字新仮名)
/
山本笑月
(著)
鞍壺
(
くらつぼ
)
に小坊主乗るや
大根引
(
だいこひき
)
同
俳人蕪村
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
と、たちまち一頭、血みどろの口をした黒犬が、すさまじくうなりながら、砂を巻いて
鞍壺
(
くらつぼ
)
へ飛びあがった。とがった
牙
(
きば
)
が、危うく次郎のひざへかかる。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いざという
間際
(
まぎわ
)
でずどんと落ること妙なり、自転車は逆立も何もせず
至極
(
しごく
)
落ちつきはらったものだが乗客だけはまさに
鞍壺
(
くらつぼ
)
にたまらずずんでん堂とこける
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
途中までくると、案内役の民蔵は、梅雪入道の
鞍壺
(
くらつぼ
)
のそばへよって、ふいに小腰をかがめた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鞍壺
(
くらつぼ
)
に小坊主乗るや
大根引
(
だいこひき
)
同
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
穴山梅雪
(
あなやまばいせつ
)
は
眉間
(
みけん
)
を
一太刀
(
ひとたち
)
割られているうえに、ここまでのあいだに、いくどとなく投げられたり
鞍壺
(
くらつぼ
)
にひッつるされたりしてきたので、この世の者とも見えぬ顔色になっていた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「帆柱に掲げた旗は赤か白か」と
後
(
おく
)
れたるウィリアムは叫ぶ。「白か赤か、赤か白か」と続け様に叫ぶ。
鞍壺
(
くらつぼ
)
に延び上ったるシーワルドは
体
(
たい
)
をおろすと等しく馬を向け直して一散に城門の方へ飛ばす。
幻影の盾
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
鞍壺
(
くらつぼ
)
に小坊主のるや
大根引
(
だいこひき
)
俳人蕪村
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
だのに馬上の与力は無礼
咎
(
とが
)
めもせず、ヒラリと
鞍壺
(
くらつぼ
)
から飛び降りて小腰を屈め
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と玄蕃は
鞍壺
(
くらつぼ
)
を叩いて怒喝した。
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鞍
漢検準1級
部首:⾰
15画
壺
漢検準1級
部首:⼠
12画
“鞍”で始まる語句
鞍
鞍馬
鞍上
鞍部
鞍馬山
鞍掛
鞍替
鞍馬寺
鞍山站
鞍山