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青黛
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せいたい
ふりがな文庫
“
青黛
(
せいたい
)” の例文
青黛
(
せいたい
)
の青い眼の涼しい六尺豊かの
大漢子
(
おおおとこ
)
、三十をすこし越したばかりの、如来衛門は泣きながら、鳰鳥に礼を云うのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
人あり、老いたる妻に聞きて白髪を残し黒きを抜き、また若き妻に聞きて白髪を抜き
白粉
(
おしろい
)
を面に塗り
青黛
(
せいたい
)
を
眉
(
まゆ
)
に描く
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「四十前後の良い男でございました。何より色白の顔と、
青黛
(
せいたい
)
を塗ったような、両頬の青髯の跡が目立ちました」
銭形平次捕物控:104 活き仏
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手招きする彼女を追って行く庸三の目に、焦げ色に
刷
(
は
)
かれた
青黛
(
せいたい
)
の肌の所々に、まだ白雪の残っている鳥海山の姿が、くっきりと間近に映るのであった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
司馬相如
(
しばさうじよ
)
が
妻
(
つま
)
、
卓文君
(
たくぶんくん
)
は、
眉
(
まゆ
)
を
畫
(
ゑが
)
きて
翠
(
みどり
)
なること
恰
(
あたか
)
も
遠山
(
とほやま
)
の
霞
(
かす
)
める
如
(
ごと
)
し、
名
(
な
)
づけて
遠山
(
ゑんざん
)
の
眉
(
まゆ
)
と
云
(
い
)
ふ。
魏
(
ぎ
)
の
武帝
(
ぶてい
)
の
宮人
(
きうじん
)
は
眉
(
まゆ
)
を
調
(
とゝの
)
ふるに
青黛
(
せいたい
)
を
以
(
も
)
つてす、いづれも
粧
(
よそほ
)
ふに
不可
(
ふか
)
とせず。
唐模様
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
さて
眺望
(
みわたせ
)
ば越後はさら也、
浅間
(
あさま
)
の
烟
(
けふり
)
をはじめ、信濃の連山みな
眼下
(
がんか
)
に
波濤
(
はたう
)
す。
千隈
(
ちくま
)
川は白き糸をひき、佐渡は青き
盆石
(
ぼんせき
)
をおく。能登の
洲崎
(
すさき
)
は
蛾眉
(
がび
)
をなし、越前の遠山は
青黛
(
せいたい
)
をのこせり。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
もとより急ぐ旅でもなし、むりなことをして一同をつからすのは本意でないから、この日もまた一
泊
(
ぱく
)
した。その翌日の午後になると、はるかに笑うがごとき、
湖
(
みずうみ
)
の
青黛
(
せいたい
)
をみることができた。
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
次
(
つい
)
で遠い桔梗色の空にふわりと
青黛
(
せいたい
)
を浮べているのは、加賀の白山である。
白馬岳
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
老若
混
(
まじ
)
えて十二人の武士がずらりと室に並んでいた。
頬髯
(
ほおひげ
)
を生やした厳しい顔、
青黛
(
せいたい
)
美しい
優男
(
やさおとこ
)
、
眉間
(
みけん
)
に太刀傷をまざまざと見せた戦場生残りらしい
老士
(
おいざむらい
)
。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
やがて暗くなつて行く樂屋を見捨てて小屋の外へ出ると、そこに待つてゐたのは道化の權八の、これも白粉を落し、鼻の下の
青黛
(
せいたい
)
を洗つた、淺黒い
生眞目
(
きまじめ
)
な顏です。
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さて
眺望
(
みわたせ
)
ば越後はさら也、
浅間
(
あさま
)
の
烟
(
けふり
)
をはじめ、信濃の連山みな
眼下
(
がんか
)
に
波濤
(
はたう
)
す。
千隈
(
ちくま
)
川は白き糸をひき、佐渡は青き
盆石
(
ぼんせき
)
をおく。能登の
洲崎
(
すさき
)
は
蛾眉
(
がび
)
をなし、越前の遠山は
青黛
(
せいたい
)
をのこせり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
と、それを合図にしたかのように、反対の側の白襖がパッタリ前へ
仆
(
たお
)
れると共に、前髪を昨日削ったらしい
青黛
(
せいたい
)
あざやかな若侍が、
電光
(
いなずま
)
のように走り込んだ。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
眉の墨と顏の
疵
(
きず
)
と、顎の
青黛
(
せいたい
)
を洗つたのだ——俺はあの時からこれは臭いなと思つたよ。あんな騷ぎの最中に、顏を洗つて來た言ひわけなどはしなくても宜いぢやないか
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
顏はまさに繪に描いた
彦徳
(
ひよつとこ
)
そのまゝ——素顏はそんな變な男ぢやありませんが——と八五郎の辯解がなかつたら、鼻の下に
青黛
(
せいたい
)
を塗つて、豆絞りの手拭を冠つたこの男の顏を
銭形平次捕物控:210 飛ぶ女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
もう一度振り返ると、思ひなしか喜八の顎には、
青黛
(
せいたい
)
を塗つたやうな不自然な青さがあり、左の頬にも、繪の具を洗ひ落した跡とも見える、淡い跡が殘つて居るやうでもあります。
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おや、この頭巾の
顎
(
あご
)
のところに、青いものが附いて居るぜ——
青黛
(
せいたい
)
ではないかな」
銭形平次捕物控:181 頬の疵
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
“青黛”の意味
《名詞》
青い黛。また、その黛で書いた眉。
濃い青。
リュウキュウアイ、ホソバタイセイ等から得られるインジゴを含有する生薬。
(出典:Wiktionary)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
黛
漢検準1級
部首:⿊
16画
“青黛”で始まる語句
青黛頭
青黛山寺鐘
青黛山如月寺
青黛山如月寺縁起