トップ
>
青苔
>
せいたい
ふりがな文庫
“
青苔
(
せいたい
)” の例文
満庭の樹影
青苔
(
せいたい
)
の上によこたはりて清夏の逸興
遽
(
にはか
)
に
来
(
きた
)
るを覚ゆる時、われ年々来青花のほとりに先考所蔵の
唐本
(
たうほん
)
を曝して誦読日の傾くを忘る。
来青花
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
もし桜がなかったらどうであろう、春風長堤をふけども落花にいななける
駒
(
こま
)
もなし、南朝四百八十寺、
甍
(
いらか
)
青苔
(
せいたい
)
にうるおえども
鎧
(
よろい
)
の
袖
(
そで
)
に涙をしぼりし忠臣の
面影
(
おもかげ
)
をしのぶ由もなかろう
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
そこには古い本堂の横手に、丁度人体をこころもち小さくした程の大きさを見せた
青苔
(
せいたい
)
の蒸した
五百羅漢
(
ごひゃくらかん
)
の石像があった。
起
(
た
)
ったり坐ったりしている人の形は生きて物言うごとくにも見える。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
友
(
とも
)
は
心
(
こゝろ
)
強
(
がう
)
にして、
小夜
(
さよ
)
の
螢
(
ほたる
)
の
光
(
ひかり
)
明
(
あか
)
るく、
梅
(
うめ
)
の
切株
(
きりかぶ
)
に
滑
(
なめら
)
かなる
青苔
(
せいたい
)
の
露
(
つゆ
)
を
照
(
てら
)
して、
衝
(
つ
)
と
消
(
き
)
えて、
背戸
(
せど
)
の
藪
(
やぶ
)
にさら/\とものの
歩行
(
ある
)
く
氣勢
(
けはひ
)
するをも
恐
(
おそ
)
れねど、
我
(
われ
)
は
彼
(
か
)
の
雨
(
あめ
)
の
夜
(
よ
)
を
惱
(
なや
)
みし
時
(
とき
)
、
朽木
(
くちき
)
の
燃
(
も
)
ゆる
森の紫陽花
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
たまたま放課の童子門前に騒ぐ事あるも空庭は稀に老婢の衣を曝すに過ぎざれば
鳥雀
(
ちょうじゃく
)
馴れて軒を去らず。
階砌
(
かいせい
)
は掃うに人なければ
青苔
(
せいたい
)
雨なきも亦滑かに、虫声更に昼夜をわかつ事なし。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
“青苔”の意味
《名詞》
青い色つまり緑色の苔。
(出典:Wiktionary)
青
常用漢字
小1
部首:⾭
8画
苔
漢検準1級
部首:⾋
8画
“青”で始まる語句
青
青年
青々
青葉
青柳
青梅
青山
青白
青銅
青楼