難澁なんじふ)” の例文
新字:難渋
忘れ彼是難澁なんじふ申懸まをしかけいたし且又道中にて野尻宿與惣次召仕めしつかへの下女專と申者と密通みつつう致し叔母女房留守中貞節ていせつを相守候者を彼是惡名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
それもひとつだが、當時たうじは、いま大錢たいせんあつかひのかたはよく御存ごぞんじ、諸國しよこく小貨こまかいのがもつてのほか拂底ふつていで、かひものに難澁なんじふ一方ひとかたならず。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
見いだし且つは其所の役人自然しぜん私欲しよくすぢ等之れあり下々の者難澁なんじふ致す向もあらば夫々御糺明きうめい仰付おほせつけらるゝ御趣意しゆいなり依て上樣御目代もくだいとの仰を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ひつくすべくもあらず、秋草あきぐさ種々くさ/″\かぞふべくもあらじかし。北八きたはち此作このさくごときは、園内ゑんないちらばつたる石碑せきひ短册たんじやく一般いつぱん難澁なんじふ千萬せんばんぞんずるなり。
弥次行 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
乞としばしえんもとやすらひぬ餠屋もちやの店には亭主ていしゆと思しき男の居たりしかば寶澤其男にむかひ申けるは私しは腹痛ふくつう致し甚だ難澁なんじふ致せばくすり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)