“隱(こも)” の例文
新字:隠
「吾(あ)が隱(こも)りますに因りて、天の原おのづから闇(くら)く、葦原の中つ國も皆闇けむと思ふを、何(なに)とかも天の宇受賣(うずめ)は樂(あそび)し、また八百萬の神諸(もろもろ)咲(わら)ふ」
梅雨の靄おほに蒸し立つ日ざかりはくるしかりけり野に隱(こも)りつつ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
にほとりの足の淺舟さやらひにぬなはの花の隱(こも)りてをうく
長塚節歌集:2 中 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
苅野(かりの)に凭(いこ)ひ、隱(こも)り沼(ぬ)の水澁(みしぶ)に浸(ひた)り
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
中(あ)たりて床(とこ)に隱(こも)れども
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
かれここに天照らす大御神見(み)畏(かしこ)みて、天の石屋戸(いはやど)七を開きてさし隱(こも)りましき。ここに高天(たかま)の原皆暗く、葦原(あしはら)の中つ國悉に闇し。これに因りて、常夜(とこよ)往く八。
深大寺松風ひさしこの隱(こも)る黒南風(くろはえ)はくらしけだし夜に入らむ
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
草に棄てし西瓜の種が隱(こも)りなく松虫きこゆ海の鳴る夜に
長塚節歌集:3 下 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
(隱(こも)り戀(ごひ)、人(ひと)こそ知(し)らね、)
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
また五處の屯倉(みやけ)一九を副へて獻らむ(いはゆる五處の屯倉は、今の葛城の五村の苑人なり。)然れどもその正身(ただみ)まゐ向かざる故は、古(むかし)より今に至るまで、臣連二〇の、王の宮に隱(こも)ることは聞けど
雨呼ばひ、哭(な)き喚(おら)び、泣き隱(こも)れば
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
隱(こも)り沼(ぬ)や、山田(やまだ)の乳媼(ちおも)
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫、薄田淳介(著)
隱(こも)らひぬ、鑛(あらがね)と巖(いはほ)との隙(ひま)埋(うづ)もれ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
夏かげくらき隱(こも)り沼(ぬ)に
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
鬱(おほ)にただ、鬱(おほ)に泣き隱(こも)りぬ。
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)