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鍵裂
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かぎざき
ふりがな文庫
“
鍵裂
(
かぎざき
)” の例文
もう一人、中学の、くちゃくちゃの制帽と服で、
鍵裂
(
かぎざき
)
だらけで、素足に高足駄を
穿
(
は
)
いた勇壮な少年がある。酒の席などでは閑却されたが雪代夫人の弟である。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
親仁
(
おやじ
)
は郵便局の配達か何かで、大酒呑で、
阿母
(
おふくろ
)
はお
引摺
(
ひきずり
)
と来ているから、
常
(
いつ
)
も
鍵裂
(
かぎざき
)
だらけの着物を着て、
踵
(
かかと
)
の切れた
冷飯草履
(
ひやめしぞうり
)
を突掛け、片手に貧乏徳利を提げ
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
山間僻地
(
さんかんへきち
)
のここらにしてもちと
酷過
(
ひどす
)
ぎる
鍵裂
(
かぎざき
)
だらけの
古布子
(
ふるぬのこ
)
の、しかもお
坊
(
ぼう
)
さんご成人と云いたいように
裾短
(
すそみじか
)
で
裄短
(
ゆきみじか
)
で
汚
(
よご
)
れ
腐
(
くさ
)
ったのを
素肌
(
すはだ
)
に着て、何だか正体の知れぬ
丸木
(
まるき
)
の
雁坂越
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
正面
(
まとも
)
に見れる肩のあたりにも、
鍵裂
(
かぎざき
)
やら
継接
(
つぎはぎ
)
やらが、二つ三つならず
算
(
かぞ
)
えられます。
新奇談クラブ:06 第六夜 人形の獄門
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
手織縞
(
ておりじま
)
の
茶
(
ちや
)
つぽい
袷
(
あはせ
)
の
袖
(
そで
)
に、
鍵裂
(
かぎざき
)
が
出來
(
でき
)
てぶら
下
(
さが
)
つたのを、
腕
(
うで
)
に
捲
(
ま
)
くやうにして
笛
(
ふえ
)
を
握
(
にぎ
)
つて、
片手
(
かたて
)
向
(
むか
)
うづきに
杖
(
つゑ
)
を
突張
(
つツぱ
)
つた、
小倉
(
こくら
)
の
櫂
(
かひ
)
の
口
(
くち
)
が、ぐたりと
下
(
さが
)
つて、
裾
(
すそ
)
のよぢれ
上
(
あが
)
つた
痩脚
(
やせずね
)
に
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
鍵
常用漢字
中学
部首:⾦
17画
裂
常用漢字
中学
部首:⾐
12画
“鍵”で始まる語句
鍵
鍵盤
鍵穴
鍵屋
鍵形
鍵束
鍵孔
鍵鼻
鍵惣
鍵番