酸漿ほうづき)” の例文
茹栗ゆでぐり燒栗やきぐり可懷なつかし。酸漿ほうづきることなれど、丹波栗たんばぐりけば、さととほく、やまはるかに、仙境せんきやう土産みやげごと幼心をさなごころおもひしが。
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
年増としまはまだよし、十五六の小癪こしやくなるが酸漿ほうづきふくんで此姿このなりはとをふさぐひともあるべし、ところがら是非ぜひもなや、昨日きのふ河岸店かしみせ何紫なにむらさき源氏名げんじなみゝのこれど、けふは地廻ぢまわりのきち手馴てなれぬ燒鳥やきとり夜店よみせして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
隠元いんげん藤豆ふぢまめたで茘枝れいし唐辛たうがらし、所帯のたしのゝしりたまひそ、苗売の若衆一々名に花を添へていふにこそ、北海道の花茘枝、鷹の爪の唐辛、千成せんなりの酸漿ほうづき、蔓なし隠元、よしあしの大蓼
草あやめ (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
年増はまだよし、十五六の小癪こしやくなるが酸漿ほうづきふくんでこの姿なりはと目をふさぐ人もあるべし、所がら是非もなや、昨日きのふ河岸店かしみせ何紫なにむらさき源氏名げんじな耳に残れど、けふは地廻りのきちと手馴れぬ焼鳥の夜店を出して
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
なぞまたひとつ。六角堂ろくかくだう小僧こぞう一人ひとり、おまゐりがあつてひらく、なに?……酸漿ほうづき
寸情風土記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)