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遠國
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ゑんごく
取出し源兵衞といふ餠屋や有と
繰返し改めしに
茗荷屋源兵衞と云があり是は近頃
遠國より歸し人と
聞及ぶ
定めて
此成んと寶澤にも是由を
散々のお
民が
異見に
少し
我が
非を
知り
初し
揚句、その
人は
俄かに
別れといふ、
幼なき
心には
我が
失禮の
我まヽを
憎くみて
夫故に
遠國へでも
行かれるやうに
悲しく
遠國の
山から
切り
出すのだといふ
模擬の
重い
臺へゴム
製の
表を
打つた
下駄を
突つ
掛けて
居るものもある。
聞て
呉尋常の手紙にては手前も一
軒の
主人容易に出て來る
氣遣はないと思ひしゆゑ我等が
謀計にて九死一生なりと云て
遣ば如何に
遠國にても
殊に寄たら來るべしと思ひての事なりしが
斯面を