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ゑんごく
遠國の
山から
切り
出すのだといふ
模擬の
重い
臺へゴム
製の
表を
打つた
下駄を
突つ
掛けて
居るものもある。
聞て
呉尋常の手紙にては手前も一
軒の
主人容易に出て來る
氣遣はないと思ひしゆゑ我等が
謀計にて九死一生なりと云て
遣ば如何に
遠國にても
殊に寄たら來るべしと思ひての事なりしが
斯面を
彼等は
坡港を「
都」と称し、
其他を「
田舎」と称して
恰も東京から千葉や埼玉へ出掛ける位の心持で
便船毎に
其等の
遠国へ往復する。昔の倭寇の意気は彼等に
由つて継承されて居ると云つて好からう。