“とおく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
遠方40.0%
20.0%
遠国20.0%
遠所20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「なアに、遠方とおくへ行くんだか、どこへ行くんだか、私にも分らないんですがね……」と、またじッと考えている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
されども渠等かれらいまだ風もすさまず、波もれざる当座とうざに慰められて、坐臥行住ざがぎょうじゅう思い思いに、雲をるもあり、水を眺むるもあり、とおくを望むもありて、その心には各々無限のうれいいだきつつ
取舵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
どこか遠国とおく移転ひっこすふりや。知らぬ処の病院さして。入れに行く振り人には見せて。又と帰らぬ野山の涯へ。泣きの涙で患者を棄てます。なれどコイツは捨児すてごと違うて。拾い育てる仏は居ませぬ。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
みんな遠所とおくなので、私はどういうものか遠所へ行くとしきりに金沢が恋しくなッて、帰りたい帰りたい一心でね、済まないことだとは思ってみても、我慢がし切れないのを、無理にこたえると
化銀杏 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)