あは)” の例文
勿躰もつたいない、名僧智識めいそうちしきつたもの、と足代あじろわらいたゞいたゞがの、……それでは、お前様めえさまわしあとへござつて、坊主ばうずあはしつたものだんべい。
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
殺すわけあらば娘にあはした上なれば十兵衞殿への土産みやげも有るにお前もお前頼まるゝ事にも差別しなあるものを罪もうらみもなきわし
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
はなしまぎれて、友造ともざうは、こゝに自分じぶんたちが不意ふいにめぐりあはうとして、れがために同伴つれなかからくるまをはづして引込ひきこんだものとおもつてしまつたらしい。
月夜車 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
後家ごけ安より其方へ頼むべき所謂いはれなきにより金子は勿論もちろん安に渡すわけなし全く小夜衣が申立る通り其方と三次と申合せ姉にあはしてるといつはりて連出し身を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
尋ぬるにさいはひの時節なりとて日毎ひごと群集ぐんじゆの中にまぎれ入て尋けるに似たりと思ふ人にもあはざれば最早もはや江戸には居るまじ是よりは何國いづくを尋ねんと主從三人ひたひ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)