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輦
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くるま
ふりがな文庫
“
輦
(
くるま
)” の例文
折しも、秋の半ば、帝と皇后の
輦
(
くるま
)
は長い戟を揃えた御林軍の残兵に守られて、長安の廃墟を後に、
曠茫
(
こうぼう
)
たる山野の空へと行幸せられた。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
さればもとれる世を益せんため、目を今
輦
(
くるま
)
にとめよ、しかして汝の見ることをかなたに歸るにおよびて
記
(
しる
)
せ。 一〇三—一〇五
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そして、一年に一度、昔羅馬皇帝が凱旋式に用ゐた
輦
(
くるま
)
——それに
擬
(
ま
)
ねて『即興詩人』のアヌンチャタが乘𢌞した
輦
(
くるま
)
、に
擬
(
ま
)
ねた輦に乘つて、市中を隈なく𢌞る。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
笏
(
しゃく
)
と
輦
(
くるま
)
は持ちて行け
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
しかし一度は貴人の別荘とされて、都あたりから、糸毛の
輦
(
くるま
)
に
﨟
(
ろう
)
たけた麗人が、萩を分けて通ったこともありそうな
家造
(
やづく
)
りなのである。
宮本武蔵:04 火の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
またその力を極めて
輦
(
くるま
)
を打てば、輦はゆらぎてさながら嵐の中なる船の、浪にゆすられ、忽ち右舷忽ち左舷に傾くに似たりき 一一五—一一七
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
そして、一年に一度、昔
羅馬
(
ロウマ
)
皇帝が凱旋式に用ゐた
輦
(
くるま
)
——それに
擬
(
ま
)
ねて『即興詩人』のアヌンチヤタが乗廻した輦、に擬ねた輦に乗つて、市中を隈なく廻る。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
「七郎っ。——七郎よっ」
輦
(
くるま
)
の中で、少年の声がした。武家の息子であろう、ばらっと、乱暴に、
簾
(
れん
)
をあげて、首を外へ出した。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
次にはわれ輪と輪の間の地ひらくがごときをおぼえ、またその中より一の龍のいで來るをみたり、この者尾をあげて
輦
(
くるま
)
を刺し 一三〇—一三二
神曲:02 浄火
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
「それみい。どうせ、行かねばならぬもの、なぜ早く、わしのいいつけに従わぬのだ」やっと、小暴君は、
輦
(
くるま
)
の中に納まって、けろりという。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
大納言は、常のとおり、
布衣
(
ほい
)
、
冠
(
かんむり
)
を
婀娜
(
たおや
)
かに着なして、鮮やかな
輦
(
くるま
)
に乗った。
雑色
(
ぞうしき
)
、牛飼、侍十人以上をつれて、すぐに、西八条へと行った。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黄金の
輿
(
こし
)
、
珠玉
(
たま
)
の
輦
(
くるま
)
もおろかである、女一人に、あまりに
冥加
(
みょうが
)
にすぎた迎えであると八雲は思った。闇を走りながら、
瞼
(
まぶた
)
の熱くなるのを覚えた。
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
布達に依って、
司馬懿
(
しばい
)
仲達は西涼の兵馬数万を華やかに整えて、魏帝の
輦
(
くるま
)
を、
安邑
(
あんゆう
)
の地に出迎えるべく
当処
(
とうしょ
)
を立ってきた。すると誰からともなく
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
董卓は、云い捨てて、
廟
(
びょう
)
を下り、即座に、車馬千駄の用意を命じて、自分はひとまず宮門から自邸へと
輦
(
くるま
)
を急がせた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その中を——張譲らの馬と、新帝、皇弟を乗せた
輦
(
くるま
)
は、逃げまどう老父を
轢
(
ひ
)
き、幼子を蹴とばして、躍るが如く、城門の郊外遠くまで逃げ落ちてきた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「やわ、かかる身なりで都へ行けよう。しいて連れ行きたくば、武家どもみな礼を以て、
輦
(
くるま
)
の
供奉
(
ぐぶ
)
に
従
(
したが
)
え」
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と追いかけてきて、
輦
(
くるま
)
の前にひざまずいた。見れば、城門の校尉
伍瓊
(
ごけい
)
と、
尚書
(
しょうしょ
)
の
周毖
(
しゅうひ
)
であった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「然らば
輦
(
くるま
)
だけはさし
免
(
ゆる
)
すが、構えて美々しゅうは相ならん。はやはや牛を引き候え」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
云い放って、
輦
(
くるま
)
を進めると、二人はなお、
忠諫
(
ちゅうかん
)
を叫びながら、輦の輪に取りすがった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
瑤々
(
ようよう
)
と
簾
(
れん
)
をゆるがしてゆく貴人の
輦
(
くるま
)
がある。夕風のなかを美しい魚のように歩く美女の群がある。
小薙刀
(
こなぎなた
)
を小脇に左の手に
数珠
(
じゅず
)
を持って
織屋
(
はたや
)
の門に立ちのぞいている尼さんがある。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——では、お慈悲のお
輦
(
くるま
)
をいただいて参りまする。
女童
(
めわらべ
)
の頃から雑仕のご奉公を申しあげ、今日という終りの日まで、お
廂
(
ひさし
)
のご
庇護
(
ひご
)
にあずかりました。何とも有難うぞんじまする」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
これというのも、前帝の
寵妃
(
ちょうひ
)
だった王美人の生んだ協皇子を愛するのあまり、何后、何進らの一族から睨まれた結果と——ぜひなき運命の
輦
(
くるま
)
のうちに涙にくれながら都離れた地方へ送られて行った。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それから、彼はまた、何進の
輦
(
くるま
)
について歩きながら
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
珠玉
(
たま
)
の
輦
(
くるま
)
篝火の女
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
輦
漢検1級
部首:⾞
15画
“輦”を含む語句
鳳輦
御輦
牛輦
輦輿
輦轂
輦下
輦車
御駐輦
手輦
駐輦
随輦
通輦
行幸輦
輦路
輦籠
輦溜
輦小舎
輦小屋
輦宿
輦台
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