賭博打ばくちうち)” の例文
ともかく相当の心得ある博徒と見えて、切口上で賭博打ばくちうちの言葉手形を本文通り振出したから、がんりきの百蔵もいよいよ面食めんくらいました。
大菩薩峠:20 禹門三級の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
長屋の者が親切に世話を致します混雑の紛れに逃げました賭博打ばくちうち二人は、遂に足が付きましてすぐに縄に掛って引かれまして御町おまちの調べになり
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鯨のせなを利用する事の出来る賭博打ばくちうちは飛行機のシートも利用する事を知つてゐる筈だ。孰方どつちも危険がまとつてゐるだけに、興味は一段と深からう。
位鷺ゐさぎの秀吉といふやくざ者、賭博打ばくちうちの兇状持ですが、大した惡い事をする人間とは思はれません。
「左様でございます、破落戸ならずものか、賭博打ばくちうちのような人体にんていでもあり、口の利き方はお武家でございました、大方、浪人の食詰め者でございましょう」
平次は曲者くせものを引起すと、その身体の泥などを払ってやっております。五位鷺ごいさぎ秀吉ひできちというやくざ者、賭博打ばくちうちの兇状持ですが、大した悪い事をする人間とは思われません。
おれ今でこそ車を引いてるが、元は大久保政五郎おおくぼまさごろうの親類で、駈出かけだしの賭博打ばくちうちだが、漆原うるしはら嘉十かじゅうと云った長脇差ながわきざしよ、ところが御維新ごいっしんになってから賭博打を取捕とっつかめえては打切ぶっきられ
ちやうど金持を見つけて賭博打ばくちうち骰子さいころを持つて又珈琲屋カフエーへ出掛けてくやうに。
向うはたかのしれた賭博打ばくちうちでございます、あれを駒井の殿様が、まともにお考えになっては困ります、まして、まともにお相手になった日には、あいつらと
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
大方函館へでも行ったろうと他人さまが仰しゃったが、三の倉で旦那さまがの騒動の時、汝は賭博打ばくちうちと組んでよくも旦那さまへ刃向い立てをたな、知らないと思ってるか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
賭博打ばくちうちが二人船のなかで賭博ばくちをしてゐると、急に嵐が起つて船は引つ繰りかへされてしまつた。二人は浪のなかを泳ぎ廻つた末、やつとの事で黒い島のやうなものにすがりついた。それは鯨のせなであつた。
お角は血にみた剃刀を打振って、群がり来る折助の面を望んでは縦一文字、横一文字に斬って廻る。けれども、多勢たぜいを恃む折助、賭博打ばくちうち、後から後からと押して来る。
無反むぞり小長こながいのをし、襠高まちだかはかまをだゞッぴろく穿き、大先生の様に思われますが、賭博打ばくちうちのお手伝でもしようという浪人者を二人連れて、宇治の里の下座敷で一口遣っていると
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
明日はやっつけてやれ、と、こんなことを、あの賭博打ばくちうちの子分共が口々に言っておりました。
大菩薩峠:29 年魚市の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
森藏といっちゃア彼処あすこでは少しは賭博打ばくちうちの仲間じゃアい親分だが、なんてってももう年い取ってしまって、親分は耄碌もうろくしていやすから、わけえ奴等もいけえこといやすから、わし厄介やっけえになってると
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)