賢人けんじん)” の例文
ゆめ五臟ござうのわづらひといひつたふれども正夢しやうむにして賢人けんじん聖人せいじん或は名僧めいそう知識ちしきの人をむは天竺てんぢく唐土もろこし我朝わがてうともにそのためすくなからずすで玄奘法師げんさうほふしは夢を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
言寄いひよことばかこまれても、こひするまなこおそはれても、いっかなこゝろうごかさぬ、賢人けんじん墮落だらくさする黄金こがねにも前垂まへだれをばひろげぬ。
賢人けんじんたちの説くところはあまりにもまちまちで、かれはまったく何を信じていいやら解らなかった。
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
孔子こうしいにしへ仁聖じんせい賢人けんじん(一七)序列じよれつする、太伯たいはく伯夷はくいともがらごときもつまびらかなり。ところもつてすれば、(一八)由光いうくわういたつてたかし。(一九)其文辭そのぶんじすこしも概見がいけんせざるはなん
こんなとき、むかしからの賢人けんじんなる者は、山林へ去って行く。世をすてて隠遁する。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いかに行く先々で愚弄ぐろうされわらわれようと、とにかく一応、この河の底にむあらゆる賢人けんじん、あらゆる医者、あらゆる占星師せんせいしに親しく会って、自分に納得なっとくのいくまで、教えをおう
悟浄出世 (新字新仮名) / 中島敦(著)
むかし殷馗いんきというて、よく天文に通じていた者が、群星の分野をぼくして、この地かならず賢人けんじん淵叢えんそうたらん——と予言したことは、今も土地の故老がよく覚えていることだが、要するに
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)