“けんじん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
賢人46.2%
堅靭7.7%
剣刃7.7%
剣陣7.7%
喧塵7.7%
堅靱7.7%
県神7.7%
顕真7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
言寄いひよことばかこまれても、こひするまなこおそはれても、いっかなこゝろうごかさぬ、賢人けんじん墮落だらくさする黄金こがねにも前垂まへだれをばひろげぬ。
そして捜し出された小さい名刺は、引き裂かれるところであったが、堅靭けんじんなる紙が抗抵したので、みくちゃにせられてたもとに入れられた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一たびつながれては断ち難い、堅靭けんじんなるなわを避けながら、己は縛せられても解き易い、脆弱ぜいじゃくなる索に対する、戒心を弛廃しはいさせた。
青年 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
人間日常の礼儀応対までが、この男の眼——見えない眼を以て見れば、ことごとく剣刃けんじんあいまみゆるの形とならないものはない。いやまだまだ、人間の生存そのものが、また一つの立合である。
大菩薩峠:22 白骨の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すでにしもえられた龍牙りゅうが短刀たんとう、もしくはながき秋水しゅうすい晃々こうこうたる剣陣けんじんを作って、すばやくふたりのげ道をかこんでしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父は小坪に柴門さいもんを閉じ、城市の喧塵けんじんを避けて、多日しばらく浩然の気を養う何某なにがしとかやいえる子爵なり。その三郎年紀とし十七、才名同族を圧して、後来多望の麟麟児きりんじなり。
金時計 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その紙も、紙とも付かねば皮とも付かぬぬめのようにピカピカとして、光沢のある薄い堅靱けんじんなものであった。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
それがために命をつないでいる者が多いといって、さっき県神けんじんから本司に上申してきたから、府君に呈したが、もう天庭に奏文して、寿いのち三紀みまわり延べて、禄を万鐘賜うた
富貴発跡司志 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
大原談義は天台の座主ざす顕真けんじん僧正が法然上人に向って念仏の要義を問われたことから始まっている。顕真と法然とは叡山の坂本で対面した。顕真僧正は例によって尋ねた。
法然行伝 (新字新仮名) / 中里介山(著)