言傳いひつた)” の例文
新字:言伝
小石川こいしかは傳通院でんづうゐんには、(かぬかへる)の傳説でんせつがある。おなじかへる不思議ふしぎは、たし諸國しよこく言傳いひつたへらるゝと記憶きおくする。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
一人女ひとりをんな」「一人坊主ひとりばうず」は、暴風あれか、火災くわさいか、難破なんぱか、いづれにもせよ危險きけんありて、ふねおそふのてうなりと言傳いひつたへて、船頭せんどういたこれめり。其日そのひ加能丸かのうまる偶然ぐうぜんにん旅僧たびそうせたり。
旅僧 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
あま仔細しさいのないことを、いて飽氣あつけなくおもふほど、唯吉たゞきちなほかゝる……むかしから語繼かたりつ言傳いひつたへるれいによると、たれにもたのまるゝ、當人たうにんが……じつてはらない姿すがたである場合ばあひおほい。
浅茅生 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)