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いひつた
小石川傳通院には、(
鳴かぬ
蛙)の
傳説がある。おなじ
蛙の
不思議は、
確か
諸國に
言傳へらるゝと
記憶する。
「
一人女」「
一人坊主」は、
暴風か、
火災か、
難破か、いづれにもせよ
危險ありて、
船を
襲ふの
兆なりと
言傳へて、
船頭は
太く
之を
忌めり。
其日の
加能丸は
偶然一
人の
旅僧を
乘せたり。
餘り
仔細のない
事を、
聞いて
飽氣なく
思ふほど、
唯吉は
尚氣に
掛る……
昔から
語繼ぎ
言傳へる
例によると、
誰にも
言ふ
勿と
頼まるゝ、
其の
當人が……
實は
見ては
成らない
姿である
場合が
多い。