要領ようりょう)” の例文
しかも博士は、高い天井てんじょうからつるしたロープの端の輪に両足をかけ、機械体操の要領ようりょうで、さかさにぶらさがっているのである。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「年寄のようなところがあると思うと、子供のようなところもあります。男のような女のような、全く要領ようりょうを得ない顔です」
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
女の言葉が前後顛倒てんとうしていて、ただ何か訴うるがごとく、ぶつぶつと恨みを述べているらしいほか、果して何を口説いているのか少しも要領ようりょうを得ないのである。
天地てんちの二しん誓約うけいくだりしめされた、古典こてん記録きろく御覧ごらんになれば大体だいたい要領ようりょうはつかめるとのことでございます。
さっきまでは、とにかくにげられそうな希望きぼうがあった。まどへ両手りょうてをかけてさえしまえば、飛越台とびこしだい要領ようりょうででも、どうにか制動室へからだをはこぶことができると思っていた。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
それは、下駄を穿く時の要領ようりょうで、うまく足指を使うことが出来たからである。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
話がなぞのようでいっさい要領ようりょうを得なかった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
いや、三度目には打ち合せて置こうと思って電話をかけたが、御主人は一切電話口へお出になりませんという口上こうじょう要領ようりょうを得ない。威張っていやがる。
凡人伝 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
ダビットは、こういうことにはなれていると見え、要領ようりょうよく身軽に、しずかにするすると下りていった。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
指導役しどうやくのおじいさんにうかがってましても、あまり要領ようりょうられませぬ……。つまりわけではないが、かぎりある器量ちからではどうにもしょうがないのでございましょう。
「警官も鉄道の連中も、要領ようりょうがいいぞオ」
崩れる鬼影 (新字新仮名) / 海野十三(著)
しかし要領ようりょうは同じことであった。
少年探偵長 (新字新仮名) / 海野十三(著)