トップ
>
葦毛
>
あしげ
ふりがな文庫
“
葦毛
(
あしげ
)” の例文
通りのまんなかには、二頭立の
葦毛
(
あしげ
)
の
逸物
(
いちもつ
)
をつけた紳士用のぜいたくな四輪馬車が立っていたが、乗り手はいなかった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
また
殿
(
しんがり
)
で敵に向いなさるなら、
鹿毛
(
かげ
)
か、
葦毛
(
あしげ
)
か、月毛か、栗毛か、馬の太く
逞
(
たくま
)
しきに
騎
(
の
)
った大将を打ち取りなされよ。
武蔵野
(新字新仮名)
/
山田美妙
(著)
二十四本背に差したるは
切斑
(
きりふ
)
の矢、
重籐
(
しげとう
)
の弓を小脇にかいこんで、乗る馬は連銭
葦毛
(
あしげ
)
、
鐙
(
あぶみ
)
をふんばって声を
轟
(
とどろ
)
かせた。
現代語訳 平家物語:04 第四巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
「まっ先にきた
小桜縅
(
こざくらおどし
)
のよろい着て
葦毛
(
あしげ
)
の馬に乗り、
重籐
(
しげどう
)
の
弓
(
ゆみ
)
を持ってたかの
切斑
(
きりふ
)
の
矢
(
や
)
を負い、くわ
形
(
がた
)
のかぶとを馬の平首につけたのはあれは
楠正行
(
くすのきまさつら
)
じゃ」
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
「九郎か。——大工棟梁に、
葦毛
(
あしげ
)
の
吹雪
(
ふぶき
)
と、栗毛の
星額
(
ほしびたい
)
とを取らせる。そちが行って、その馬を、これへ引いて来い。——馬を引いて、棟梁どもに与えよ」
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「おいイワン。おれに穀物を半分おくれよ。おれは道具なんか貰おうとは思わない。あの
葦毛
(
あしげ
)
の馬を一匹貰おう。あれはお前の畑仕事にはちっと不向きのようだから。」
イワンの馬鹿
(新字新仮名)
/
レオ・トルストイ
(著)
既に父子
仇
(
あだ
)
となりて引き分れ候上は、たとい父にておわし候とも城に入れんこと思いも寄らずと云って、門を閉ざし女房共に武装させて、
厩
(
うまや
)
にいた
葦毛
(
あしげ
)
の馬を、玄関につながした。
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
演技場の真中には今、中位の象かと思われる巨大な白
葦毛
(
あしげ
)
の挽馬が、手綱も鞍も何も着けずに出て来て、小さな
斑
(
ぶち
)
のテリア種の犬と鼻を突き合わせて何かひそひそ話をしている
体
(
てい
)
である。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
すると馬は——馬車を
牽
(
ひ
)
いていた
葦毛
(
あしげ
)
の馬は
何
(
なん
)
とも言われぬ
嘶
(
いなな
)
きかたをした。何とも言われぬ?——いや、何とも言われぬではない。俺はその
疳走
(
かんばし
)
った声の中に確かに馬の笑ったのを感じた。
馬の脚
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして、馬に鞍を置いてしまうと、正勝と
平吾
(
へいご
)
と
松吉
(
まつきち
)
の三人の牧夫は銘々に輪になっている細引を肩から
袈裟
(
けさ
)
にかけた。そして、正勝は
葦毛
(
あしげ
)
の花房に、平吾は
黒馬
(
あお
)
に、松吉は
栗毛
(
くりげ
)
にそれぞれ
跨
(
またが
)
った。
恐怖城
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
駒は、桜田の
御厩
(
おうまや
)
から借りて来た
葦毛
(
あしげ
)
だった。
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
ところが、いまは不思議にも、そうした大きな荷馬車に、やせた小さな、
葦毛
(
あしげ
)
の百姓馬がつけてあった。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
間もなく
輿
(
こし
)
、
駕籠
(
かご
)
の行列につづいて、武者ぶりよい男が、二、三頭の
鹿毛
(
かげ
)
や
葦毛
(
あしげ
)
の駒を曳いて出て行った。武者たちは長門守の顔を見ると馬の口輪を片手に、辞儀して通った。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
隊長両角豊後守虎定は今はこれまでと桶皮胴の大鎧に
火焔頭
(
かえんがしら
)
の兜勇ましく逞しき
葦毛
(
あしげ
)
に跨り、大身の槍をうちふって阿修羅の如く越兵をなぎたおしたが、槍折れ力つきて討死した。
川中島合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「
厩
(
うまや
)
からわしの
葦毛
(
あしげ
)
を曳いて来い」
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“葦毛(芦毛)”の解説
芦毛(葦毛、あしげ、en: Gray、la: Glaucus、zh: 灰)は、馬の毛色のひとつ。一般に灰色の馬のこと、またはその状態そのものを指す。肌は黒っぽく、生えている毛は白いことが多い。日本語が使用されている地域では、より白い白毛や佐目毛が稀であるため、通常白馬と言えば白くなった芦毛のことである。
(出典:Wikipedia)
葦
漢検準1級
部首:⾋
13画
毛
常用漢字
小2
部首:⽑
4画
“葦毛”で始まる語句
葦毛潭