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茅
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ち
ふりがな文庫
“
茅
(
ち
)” の例文
同じ歸りの列車に乘つた連中も或者は大磯や
茅
(
ち
)
ヶ
崎
(
さき
)
邊を通りがけに局長とか社長とかの別莊を訪問しやうとて下車したものも多かつた。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
明智光秀が
粽
(
ちまき
)
の
茅
(
ち
)
を去らずに啖つたのなんぞは、正に光秀が長く天下を有するに堪へぬ事を語つてゐると評されても仕方の無い事である。
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
彼等は未来の健康のため、
一夏
(
ひとなつ
)
を
茅
(
ち
)
が
崎
(
さき
)
に過すべく、
父母
(
ふぼ
)
から命ぜられて、兄弟五人で
昨日
(
きのう
)
まで
海辺
(
うみべ
)
を
駆
(
か
)
け廻っていたのである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
眉山の自殺してから間もなく、
茅
(
ち
)
ヶ
崎
(
さき
)
海岸の獨歩の病室で、「この龍土會の會員の中で、誰れが眉山の次ぎに死ぬだらう」
泡鳴五部作:02 毒薬を飲む女
(旧字旧仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
君の所要は、先月
茅
(
ち
)
ヶ
崎
(
さき
)
で物故した一文士に関する彼の感想を聞くにあった。彼は故人について取りとめもない話をした。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
▼ もっと見る
みやま
菫
(
すみれ
)
の
濃
(
こ
)
いむらさき色、白りんどうの
気高
(
けだか
)
い花、
天狗
(
てんぐ
)
の
錫杖
(
しゃくじょう
)
の
松明
(
たいまつ
)
をならべたような
群生
(
ぐんせい
)
、そうかと思うと、
弟切草
(
おとぎりそう
)
や
茅
(
ち
)
がやの
穂
(
ほ
)
や、
蘭科植物
(
らんかしょくぶつ
)
のくさぐさなどが
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
殊
(
こと
)
にこの別荘地帯は
茅
(
ち
)
ヶ
崎
(
さき
)
でも早く開けた方で、古びた家が広々と庭を取って、ポツン/\と並んでいる上に、どれも之も揃って空家と来ているので、誰一人応ずる者はない。
青服の男
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
震災記念というところから、小山家では
茅
(
ち
)
が
崎
(
さき
)
にある製糸工場内の庭に喜代野さんの胸像を置き、その台石にこのことばを刻みつけて、いささかなき人をしのぶたよりとしたものです。
力餅
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
雑誌の盟主であるR先生の
相模
(
さがみ
)
茅
(
ち
)
ヶ
崎
(
さき
)
の別荘に、その日同人の幹部の人達が闘花につめかけてゐるので、私は一刻も早く一部始終を報告しようと思つて、その足で東京駅から下り列車に乗つた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
夜詣
(
よまいり
)
や
茅
(
ち
)
の
輪
(
わ
)
にさせる社務所の
灯
(
ひ
)
六百句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
余はほとんど
崖
(
がけ
)
と共に
崩
(
くず
)
れる
吾家
(
わがや
)
の光景と、
茅
(
ち
)
が
崎
(
さき
)
で海に押し流されつつある吾子供らを、夢に見ようとした。雨のしたたか降る前に余は
妻
(
さい
)
に宛てて手紙を出しておいた。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
茅
(
ち
)
ヶ崎
(
さき
)
にいる子供の安否についても
一方
(
ひとかた
)
ならぬ心配をしたものらしかった。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“茅”の解説
茅(かや)は、古くから屋根材や飼肥料などに利用されてきた、イネ科あるいはイネ科およびカヤツリグサ科の草本の総称である。
カヤと呼ばれるのは、細長い葉と茎を地上から立てる一部の有用草本植物で、代表種にチガヤ、スゲ、ススキがある。
ススキを特定的に意味することもある。総称が本義でススキの意が派生だが、逆に、ススキが本義で意味が広がったとも。
(出典:Wikipedia)
茅
漢検準1級
部首:⾋
8画
“茅”を含む語句
茅屋
茅舎
茅葺
浅茅生
茅草
茅萱
茅野
茅原
茅場町
浅茅
茅町
茅屋根
茅蜩
茅針
白茅
茅山
茅茨
茅葭
茅沼
茅家
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