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胸苦
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むなぐる
ふりがな文庫
“
胸苦
(
むなぐる
)” の例文
おかみさん、この
胸苦
(
むなぐる
)
しいほど恨めしい花が、今日丁度にも置いてあつた花屋の前を通りすがつたとは、よほど廻合が惡かつたのだ。
わるい花
(旧字旧仮名)
/
レミ・ドゥ・グルモン
(著)
隆夫は急に
胸苦
(
むなぐる
)
しさをおぼえた。はっとおどろくと、あやしい影が隆夫のくびをしめつけているではないか。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ただ
胸苦
(
むなぐる
)
しくなって枕の上の頭を右に傾むけようとした次の瞬間に、赤い血を金盥の底に認めただけである。
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
四季
(
しき
)
押通
(
おしとほ
)
し
油
(
あぶら
)
びかりする
目
(
め
)
くら
縞
(
じま
)
の
筒袖
(
つゝそで
)
を
振
(
ふ
)
つて
火
(
ひ
)
の
玉
(
たま
)
のやうな
子
(
こ
)
だと
町内
(
ちやうない
)
に
恐
(
こわ
)
がられる
亂暴
(
らんばう
)
も
慰
(
なぐさ
)
むる
人
(
ひと
)
なき
胸苦
(
むなぐる
)
しさの
餘
(
あま
)
り、
假
(
かり
)
にも
優
(
やさ
)
しう
言
(
い
)
ふて
呉
(
く
)
れる
人
(
ひと
)
のあれば
わかれ道
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「
然
(
さ
)
うだね。
僕
(
ぼく
)
は何んだか
胸苦
(
むなぐる
)
しくなツて
來
(
き
)
たよ。」と儚ないやうな
顏
(
かほ
)
をしていふ。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
「
行
(
ゆ
)
け、両君」と叫ぶ第一回の指揮者ランナウ君の声が沈黙を破つた。剣と剣とは
半
(
なかば
)
曇つた二月の空に
屡
(
しば/\
)
相触れて鳴つた。
間隙
(
すき
)
の無い見事な対戦に観る人の心は
胸苦
(
むなぐる
)
しい迄緊張した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
そも
三田
(
みた
)
の校内にては
奢侈
(
しゃし
)
の風をいましめんとて校内に取寄すべき弁当にはいづれもきびしく代価を制限したり。されば料理の材料おのづから粗悪となりてこれを
食
(
くら
)
へば
終日
(
ひねもす
)
胸苦
(
むなぐる
)
しきを覚ゆ。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
胸
常用漢字
小6
部首:⾁
10画
苦
常用漢字
小3
部首:⾋
8画
“胸”で始まる語句
胸
胸倉
胸襟
胸算用
胸毛
胸板
胸騒
胸算
胸高
胸乳