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肅然
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しゆくぜん
ふりがな文庫
“
肅然
(
しゆくぜん
)” の例文
新字:
粛然
うろつく
者
(
もの
)
には、
傍目
(
わきめ
)
も
觸
(
ふ
)
らず、
肅然
(
しゆくぜん
)
として
廊下
(
らうか
)
を
長
(
なが
)
く
打
(
う
)
つて、
通
(
とほ
)
つて、
廣
(
ひろ
)
い
講堂
(
かうだう
)
が、
青白
(
あをじろ
)
く
映
(
うつ
)
つて
開
(
ひら
)
く、
其處
(
そこ
)
へ
堂々
(
だう/\
)
と
入
(
はひ
)
つたのです。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
一方からは後閑武兵衞、これは羽織だけ脱いで、一刀を引拔き、逃げ路を
塞
(
ふさ
)
いだまゝ、
肅然
(
しゆくぜん
)
と立つて居ります。
銭形平次捕物控:051 迷子札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
傍
(
そば
)
にどんな
人
(
ひと
)
がゐるか
見向
(
みむ
)
きもしなかつた。
如何
(
いか
)
なるものが
外
(
そと
)
から
入
(
はひ
)
つて
來
(
き
)
ても、
全
(
まつた
)
く
注意
(
ちゆうい
)
しなかつた。
彼等
(
かれら
)
は
活
(
い
)
きた
彫刻
(
てうこく
)
の
樣
(
やう
)
に
己
(
おの
)
れを
持
(
ぢ
)
して、
火
(
ひ
)
の
氣
(
け
)
のない
室
(
へや
)
に
肅然
(
しゆくぜん
)
と
坐
(
すわ
)
つてゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
唯
(
たゞ
)
此時
(
このとき
)
、
大路
(
おほぢ
)
を
時
(
とき
)
に
響
(
ひゞ
)
いたのは、
肅然
(
しゆくぜん
)
たる
騎馬
(
きば
)
のひづめの
音
(
おと
)
である。
火
(
ひ
)
のあかりに
映
(
うつ
)
るのは
騎士
(
きし
)
の
直劍
(
ちよくけん
)
の
影
(
かげ
)
である。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
その隣りのお妾のお小夜の部屋へ入つて見ると、佛樣はもう
入棺
(
にふくわん
)
が濟んで、型通りに飾つた机の前に、内儀のお絹は首うな垂れたまゝ
肅然
(
しゆくぜん
)
と控へて居るのでした。
銭形平次捕物控:223 三つの菓子
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
▼ もっと見る
それは『かねやす』に背を向けた、東向きの裏二階で十五夜の月はもう、町並の屋根の上に昇つてをり、椽側には型通りの祭壇が、青白い月の光を受けて、
肅然
(
しゆくぜん
)
と靜まり返つて居ります。
銭形平次捕物控:237 毒酒薬酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
と
重々
(
おも/\
)
しく
且
(
か
)
つ
沈
(
しづ
)
んだ
調子
(
てうし
)
で、
男
(
をとこ
)
は
肅然
(
しゆくぜん
)
としていつた。
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
肅
部首:⾀
13画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“肅”で始まる語句
肅
肅愼
肅々
肅殺
肅公綱條