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聞入
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きゝい
御迷惑か
存ぜぬが、
靄の
袖の
擦合うた
御縁とて、ぴつたり
胸に
當る
事がありましたにより、お
心着け
申上げます……お
聞入れ、お
取棄て、ともお
心次第。
と云うを
聞入れず、源次郎は是を
機会に
跣足にて
根府川石の
飛石を伝いて帰りました。
左のみ
珍らしいとは
思ひませぬけれど
出際に
召物の
揃へかたが
惡いとて
如何ほど
詫びても
聞入れがなく、
其品をば
脱いで
擲きつけて、
御自身洋服にめしかへて、
吁、
私位不仕合の
人間はあるまい
愚妻よりも申せし通り新藤市之丞と云者より受取たる金に
相違なく
其譯は斯樣々々と
馬喰町中尋ね
歩行たる事まで委しく申聞ると
雖も久兵衞は少しも
聞入れず否其新藤市之丞と云は町所家主も知れず
當人が今の名前さへ知れぬ位の事なる由是第一
怪しき證據なり又
不審なるは