縁付かたづ)” の例文
離縁状を取らなければわきへ妹を縁付かたづけることが出来ませんから貰う離縁状、反故には出来ません、冗談云っちゃアいけませんよ、お前さんの方では病気のなおるまでとか
特殊の薬剤を注入して……ま、そんなことはいずれ明日でも詳しく申し上げるが、……そのワイゲルトという中尉の姉がある貴族のところに縁付かたづいて、独逸のケムニッツ市に住んでいる。
ウニデス潮流の彼方 (新字新仮名) / 橘外男(著)
紀伊國屋の家を出れば兄妹きょうだいではないとあなたが御意遊ばしたことが有りまするし、それに女は縁付かたづいてまいりました家を家とするが女の道だと仰しゃったお言葉を守って
御新造が此方こちら縁付かたづいてから二日目のこと、丁度三年以前の五月三十日の晩ですが、水道町の仕事の帰りに勘定を取って、相変らず一口やった揚句あげくはて、桜の馬場の葭簀張よしずばり
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
此処の処だけも何も有りません跛足びっこの亭主などを妹に持たしては置かれません、本当にお前さんの処へ縁付かたづけて置くと、親類中に祝儀不祝儀の有った時に、ピョコ/\跛足を
めえは今迄まアほかの女と違って信実なもんで、おらうち縁付かたづいても惣次郎を大切でえじにして、しゅうとへは孝行尽し、小前こめえもんにも思われるくれえで、流石さすが武家さむれえさんの娘だけ違ったもんだ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甚「のくれえたって、なア新吉、彼方あっち縁付かたづいてから借金取が方々から来られちゃア極りがわりいやア、其の極りを付けて貰うのだから借金の高を云いねえよ、さ、借金をよう」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
どうも御新造に取持とうという者、いわば仲人なこうどが一旦自分のいう事をきかして、それから縁付かたづけると、そんな事がありましょうか、だかられはもう、お置きなさらん方が
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
あんま生地いくぢすぎる、そんな生地いくぢのない人と連添つれそつてゐるのはいやだ、此子このこはおまへさんのだからお前さんが育てるがい、わたしはもつと気丈きぢやうな人のところへ縁付かたづくから、といふ薄情はくじやうぶん
塩原多助旅日記 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
だが御亭主ごてえしが無ければ町人だって身分が宜ければ縁付かたづくという、其処は又相談ずくでねえ、もし奥様が貴方の処へ嫁に来ると云ったら何うなさるえ、それとも鯉こくを持って来る女が好うがすか
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)