)” の例文
私はよろこびにあめのようにくずれてくる顔の形を、どうすることも出来なかった。小僧さんは、大きいハトロンの包みをベリベリといた。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
ところが、そのとき、にいさんの三之助さんのすけが、ほご(ものをかきそこなって、不用ふようになったかみ)を部屋へやいっぱいにひろげて、整理せいりをしていました。
私達は長田ながた秀雄氏と三人小さなテーブルかこつて色々の話をした。氏はその折吾がのために近々きん/\演劇と当局の取締とについて長い論文を書かうと約束をした。
されど、嗚呼ああされど、予はけんに臨んで、なほ惶々くわうくわうとして自ら安からざるものあるを覚ゆ。おもふに予が過去を点検し記載するは、予にとりてふたたび過去の生活を営むと、畢竟ひつきやう何の差違かあらん。
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「あなたのお留守に來た手紙はそのたんびにをして送つた筈ですが、きのふけふに來たのはそれだけです。それから、その名刺の西洋人が尋ねて來て、いつ頃になつたら歸ると聽いてました。」
泡鳴五部作:01 発展 (旧字旧仮名) / 岩野泡鳴(著)
つくねんと原稿を見詰めてゐる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)
「わたしは、とのさまをあしでふんだわけではありません。たまたま、わたしのふんだほごに、とのさまのおまえがかいてあっただけのことです。」
にいさんがいうように、とのさまののかいてあるほごをふみつけてわるいのなら、かみさまのまえのかいてあるおふだをふんだら、どうなるだろうか。