箱車はこぐるま)” の例文
あるおとこ箱車はこぐるまいて菓子屋かしや店頭みせさきにやってきました。そして、あめチョコを三十ばかり、ほかのお菓子かしといっしょに箱車はこぐるまなかおさめました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
トロッコ様の箱車はこぐるまの座席が三段にわけてあり、まえに豪傑ごうけつの虎さんと色男の有沢さんが乗り、真中にぼくと清さん、うしろに柴山と村川が乗りました。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
東北その他へ出る汽車には、みんながおしおしにつめかけて、機関車のぐるりや、箱車はこぐるまの屋根の上へまでぎっしりと乗上のりあがって、いのちがけでゆられていくありさまでした。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
その日のおひるすぎ、賢二君が、にいさんの壮一君にまもられて、ちょっと、おうちの外へ出ますと、その町かどに異様な箱車はこぐるまをひいた、白ひげのじいさんが、待ちかまえていました。
鉄塔の怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ちらと見たばかりでは何の車とも分らなかった。何でも可なり大きな箱車はこぐるまで、上からこもかぶせてあったようだったが、其を若い土方風の草鞋穿わらじばきの男が、余り重そうにもなく、匇々さっさと引いて来る。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
温和な春の日の箱車はこぐるまのなかにれ親しんで
藍色の蟇 (新字旧仮名) / 大手拓次(著)
どこへゆくのだろう?箱車はこぐるまなかにはいっている天使てんしは、やはり、くらがりにいて、ただくるまいしうえをガタガタとおどりながら、なんでものどかな、田舎道いなかみち
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
このとき、あめチョコの天使てんしは、むらへきたのだとおもいました。やがて箱車はこぐるまのふたがいて、おとこははたしてあめチョコをして、むらちいさな駄菓子屋だがしや店頭みせさききました。
飴チョコの天使 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのころ、牛乳ぎゅうにゅう配達はいたつする箱車はこぐるまいた青年せいねんは、しろのことをおもしていました。
野菊の花 (新字新仮名) / 小川未明(著)