“乗上”の読み方と例文
旧字:乘上
読み方割合
のりあが100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みち大畝おほうねりに、乗上のりあが乗下のりさがつて、やがて、せまり、やまきたり、いはほちかづき、かはそゝいで、やつと砂煙すなけぶりなかけたあたりから、心細こゝろぼそさがまたした。はいまみどりに、ながれしろい。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
東北その他へ出る汽車には、みんながおしおしにつめかけて、機関車のぐるりや、箱車はこぐるまの屋根の上へまでぎっしりと乗上のりあがって、いのちがけでゆられていくありさまでした。
大震火災記 (新字新仮名) / 鈴木三重吉(著)
転婆娘が、(あの、白菊と、私の黄ぎくと、どっちがいい、ええ坊や。)——礼さん、あなたが、乗上のりあがって、二階の欄干へ、もろ手を上げて、身もだえをしたとお思いなさい。
菊あわせ (新字新仮名) / 泉鏡花(著)