しう)” の例文
大事と思ふ心も何時しか忘れて小夜衣の顏を見ぬ夜は千しうおもひにて種々しゆ/″\樣々さま/″\と事にかこつけ晝夜のわかちもなく通ひける實に若き者のおぼれ安きは此道にして如何なる才子さいしも忽ち身をほろぼし家産かさん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
助十と聞ば知れるにちがひなしと其夜は河岸にいし材木ざいもく積置つみおきし處へゆき寄凭よりかゝりて少しまどろまんとするに知らぬ江戸といひ此所こゝは如何なる處やらんもしとがめられなば何と答んと心を苦しめ夜の明るを待事まつことしう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
然程さるほどに村井長庵はかく金儲かねまうけのつるに有付たりと心に悦び十兵衞の出府しゆつぷを一日千しうの思ひにてまつほどに此方は十兵衞娘文をつれて岩井村を出立し道中だうちうにても心をつけ足をいためな草臥くたびれなと種々いろ/\なぐさめつゝ日を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)