禪杖ぜんぢやう)” の例文
新字:禅杖
禪師ぜんじ見給みたまひて、やがて禪杖ぜんぢやうとりなほし、作麽生そもさん何所爲なんのしよゐぞと一喝いつかつして、かれかうべうちたまへば、たちまちこほり朝日あさひふがごとせて、かの青頭巾あをづきんほねのみぞ草葉くさばにとゞまりける。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
仕廻しまつて休むがいゝといふに下男彌助何さま然樣さやう致さんと早々に見世をかたつけいま戸をたてんとする處へ見上みあぐる如き大兵の武士てつ禪杖ぜんぢやうを引さげつか/\と這入はひり來り是々若いもの酒を一升かんを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
殘しておけよかつたに皆殺せしは是非もなしドレ參らうと半四郎一人にて引擔ひきかつぎサア/\御女中さきたゝれよと云つゝ行んとせしが半四郎は大小とてつ禪杖ぜんぢやう邪魔じやまに成たればもし御女中憚りながら此大小とつゑ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大勢にて追取卷くんほぐれつ戰ふ有樣善か惡かは分らね共若者のはたら凡人ぼんじんならず天晴の手練かなと感じながらに見て居たるに今大勢おほぜいの雲助にたゝふせられ已に一命も危く見ゆるゆゑかの武士は立上り何はともあれ惜き若者見殺しにするもなさけなしいざたすけて呉んときたえ上たるてつ禪杖ぜんぢやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)