神寂かんさ)” の例文
二宮尊徳にのみやそんとくをうまつれる報徳神社はうとくじんじやまうづ。鳥居とりゐ階子はしごして輪飾わかざりをかくるさまなど、いたく神寂かんさびたり。
熱海の春 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
しかも、その灰汁の抜け工合の程のよさ! 骨身のあたりカラカラと香ばしく枯れ切って、抜けるだけの脂はことごとく抜け切り、古色蒼然、どことはなく神寂かんさびた老体なのです。
ここは信州諏訪のこおり、神宮寺村に神寂かんさび立つ日本第一大軍神、建御名方命たけみなかたのみことまつった社、諏訪明神の境内けいだいで、秋とは云っても杉やひのき常磐木ときわぎの葉に蔽われて、昼なお暗い四方あたりの様子に旅人と見えて三
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
白い、しずかな、曇った日に、山吹も色が浅い、小流こながれに、苔蒸こけむした石の橋がかかって、その奥に大きくはありませんが深く神寂かんさびたやしろがあって、大木の杉がすらすらと杉なりに並んでいます。
雪霊記事 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しろい、しづかな、くもつたに、山吹やまぶきいろあさい、小流こながれに、苔蒸こけむしたいしはしかゝつて、おくおほきくはありませんがふか神寂かんさびたやしろがあつて、大木たいぼくすぎがすら/\とすぎなりにならんでます。
雪霊記事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)