石盤せきばん)” の例文
可愛らしい鼓村は、大きな、入道にゅうどうのような体で恐縮し、間違えると子供が石盤せきばんの字を消すように、箏のいとの上をてのひらき消すようにする。
朱絃舎浜子 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
あいちやんは彼等かれら石盤せきばん見越みこせるほどちかくにたので、全然すつかりそれがわかりました、『しかしそれはうでもかまはないわ』とひそかにおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
くるみわりがトンボ返りをうつかと思うと、石筆は石盤せきばんの上をはねまわります。ますますたいへんなさわぎになりました。
鉛筆と紙のときは、ヒルム式な連鎖描きとし、石盤せきばん石筆せきひつのばあいは、一場面一場面、描いては消し、描いては消し、かつ思いつきの筋を喋っていくのだからずいぶん忙しい。
その荷物は、読本と縦四寸横六寸位の小さな石盤せきばんとで、木の枠に石盤拭きが糸で下げてあります。遣いつけたら離されません。学校へ置いて来たらといわれても、いつもき返りに背負っていました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
夕飯ゆうめしうっちゃって、石盤せきばんうっちゃって
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
すると、石盤せきばんの上で、なにやらさかんに、押し合いへし合いしているではありませんか。それは、こういうわけです。
あいちやんは陪審人ばいしんにんのこらず石盤せきばんに、『愚物ばかだわねえ!』ときつけてゐるのを、みんなの肩越かたごしに全然すつかりました、それのみならずあいちやんは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
あたしは自分のお弁当をおまっちゃんに持っていってやったが、おまっちゃんは見向きもしないで、窓に石盤せきばんをのせて、色石筆いろせきひつであねさまをいていた。あたしも仕方なしにたたずんでいた。
不幸ふかうなるちひさな甚公じんこうは、なんにも痕跡あとのこらぬのをつて、一本指ぽんゆび石盤せきばんくことをめました、ところで、そのかほからインキのれてるのをさいは
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
くるみ割はとんぼ返りをうちますし、石筆せきひつ石盤せきばんの上をおもしろそうにかけまわりました。それはえらいさわぎになったので、とうとうカナリヤまでが目をさまして、いっしょにお話をはじめました。