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狹霧
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さぎり
ふりがな文庫
“
狹霧
(
さぎり
)” の例文
新字:
狭霧
荷馬橇の馬は、
狹霧
(
さぎり
)
の樣な
呼氣
(
いき
)
を
被
(
かぶ
)
つて氷の玉を聨ねた
鬣
(
たてがみ
)
を、寒い光に波打たせながら、風に鳴る鞭を喰つて勢ひよく駈けて居た。
菊池君
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
四人の帰化入籍、遺言書の作成と続いて、算哲の自殺に逢着すると、突如
腥
(
なまぐさ
)
い
狹霧
(
さぎり
)
のような空気が漲りはじめた。
黒死館殺人事件
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
この神、
若晝女
(
わかひるめ
)
の神に娶ひて生みませる子、天の
日腹大科度美
(
ひばらおほしなどみ
)
の神。この神、天の
狹霧
(
さぎり
)
の神の女
遠津待根
(
とほつまちね
)
の神に娶ひて生みませる子、
遠津山岬多良斯
(
とほつやまざきたらし
)
の神。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
われは人の
若語
(
しかかた
)
るを聞きて、かねてよりポツジヨに親まんことを願ひしかば、今ゆくりなくこれに逢ひて、心にこの邂逅を喜び、早く胸の
狹霧
(
さぎり
)
のこれがために晴るゝを覺えき。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「お
柳
(
りう
)
、」と
思
(
おも
)
はず
抱占
(
だきし
)
めた
時
(
とき
)
は、
淺黄
(
あさぎ
)
の
手絡
(
てがら
)
と、
雪
(
ゆき
)
なす
頸
(
うなじ
)
が、
鮮
(
あざ
)
やかに、
狹霧
(
さぎり
)
の
中
(
なか
)
に
描
(
ゑが
)
かれたが、
見
(
み
)
る/\、
色
(
いろ
)
があせて、
薄
(
うす
)
くなつて、ぼんやりして、
一體
(
いつたい
)
に
墨
(
すみ
)
のやうになつて、やがて
三尺角拾遺:(木精)
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
月の夜はいとどかぐろき
家
(
や
)
の森を田には
狹霧
(
さぎり
)
の引きわたるめり
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
夢かは、
現
(
うつ
)
し
狹霧
(
さぎり
)
のこの世去らば
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
おもわに
狹霧
(
さぎり
)
海潮音
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
天
(
あめ
)
の
眞名井
(
まなゐ
)
一一
に振り滌ぎて、さ
齧
(
が
)
みに
齧
(
か
)
みて、吹き棄つる
氣吹
(
いぶき
)
の
狹霧
(
さぎり
)
に成りませる神の御名
一二
は、
多紀理毘賣
(
たぎりびめ
)
の命、またの御名は
奧津島比賣
(
おきつしまひめ
)
の命といふ。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
狹霧
(
さぎり
)
立つ月の夜さりは
村方
(
むらかた
)
の野よ
香
(
かう
)
ばしく麥こがし
熬
(
い
)
る
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
たそがるる
狹霧
(
さぎり
)
路岐
(
ちまた
)
を
春鳥集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
この大山津見の神、野椎の神の
二神
(
ふたはしら
)
、山野によりて持ち別けて生みたまふ神の名は、天の
狹土
(
さづち
)
の神。次に國の狹土の神。次に天の
狹霧
(
さぎり
)
の神。次に國の狹霧の神。次に天の
闇戸
(
くらと
)
の神。次に國の闇戸の神。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
狹霧
(
さぎり
)
ひらかむ夢もがな
草わかば
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
聲
罅
(
ひび
)
くゑまひの
狹霧
(
さぎり
)
。
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
船も
狹霧
(
さぎり
)
も
海原
(
うなばら
)
も
有明集
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
狹
部首:⽝
10画
霧
常用漢字
中学
部首:⾬
19画
“狹”で始まる語句
狹
狹苦
狹間
狹衣
狹田
狹衣子
狹隘
狹土
狹城
狹山