物騷ぶつさう)” の例文
新字:物騒
かく滿洲まんしうだの、哈爾賓ハルピンだのつて物騷ぶつさうところですね。ぼくなんだか危險きけんやう心持こゝろもちがしてならない」とつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
仕舞しまひ居るに雲助共それなら夜道は物騷ぶつさうゆゑ駕籠かごに乘て御呉おくんなせへ夫に今見れば率爾ぶしつけながら胴卷には大分御金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
此家ではそんな物騷ぶつさうなものを買つた覺えはありませんので、いろ/\藥屋で調べましたところ、二た月ばかり前に、喜三郎が自分で石見銀山いはみぎんざんを買つたことがある相です、多分それを
總勢すぐツて百四五十人ばかり。毎日いくさごツこのやうな眞似ばかりして居たが、そのうち世は漸次しだいに文化に向つて、さういふ物騷ぶつさうな學校の立ち行かう筈もないので、其中そのうちに潰れて了つた。
兵馬倥偬の人 (旧字旧仮名) / 塚原渋柿園塚原蓼洲(著)
『女ばかり四人ぢやア物騷ぶつさうだね。……君のおむこさんはうしたんだね。……』
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
滿洲まんしう朝鮮てうせん? ひどくまたおもつたもんだね。だつて、御前おまへ先刻さつき滿洲まんしう物騷ぶつさういやだつてつたぢやないか」
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
きゝ今より鴻の巣迄行くには刻限こくげんおそしと申事なれば此宿にとまる積り殊に是からの四里八町は餘程のびて居るとの事ゆゑ夜にもかゝるし其上又大いに物騷ぶつさうだとかいふ事なれば先々見合せに致さうと云けるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
御連おつれなされて是から四里八町は餘程よほど夜に入ります殊に此熊谷くまがい土手どては四里八町と申ても餘程丁數がのび五里の餘は必ず御座り升夫に惡ひ土手にて機々をり/\旅人が切られたりあるひは追剥おひはぎ出會であひひどいめに逢事ありてまこと物騷ぶつさうゆゑ何れにも今晩は此熊谷宿へ御宿おとまりあつて明朝は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)