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火種
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ひだね
ふりがな文庫
“
火種
(
ひだね
)” の例文
「うむ。行って
来
(
こ
)
よう。
火種
(
ひだね
)
はあるか。この二、三日大分寒くなって来たな。」と男はまだ
寐
(
ね
)
たまま起きようともしない。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
それから、
若者
(
わかもの
)
はたき火のそばにもどってくると、かすかにのこっている
火種
(
ひだね
)
から火をふきおこして、あたたまりました。
こわいことを知りたくて旅にでかけた男の話
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
市街
(
しがい
)
の
中心地
(
ちゆうしんち
)
に
於
(
お
)
ける
潰家
(
かいか
)
の
下
(
もと
)
に、
大火災
(
だいかさい
)
となるべき
火種
(
ひだね
)
が
培養
(
ばいよう
)
せられつゝあつたことを
氣附
(
きづ
)
かないでゐたのである。
地震の話
(旧字旧仮名)
/
今村明恒
(著)
『薬はまだ伸びない。なにしろ火鉢の火が
微
(
かすか
)
だからな。いくら
諸式
(
しょしき
)
高値
(
こうじき
)
でも、こゝの店は随分倹約だぞ。まるで蛍のやうな
火種
(
ひだね
)
しか無いのだからな。』
赤膏薬
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
袴
(
はかま
)
をぬらして清三が学校から帰って来て、
火種
(
ひだね
)
をもらおうと庫裡にはいってみると、主僧はさびしそうにぽつねんとひとり机にすわって書を見ていた。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
▼ もっと見る
二三度
喚
(
よ
)
んで見たが、阿母さんは
桃枝
(
もヽえ
)
を
負
(
おぶ
)
つて大原へ出掛けて居無かつた。貢さんは火鉢の
火種
(
ひだね
)
を
昆炉
(
しちりん
)
に移し
消炭
(
けしずみ
)
を
熾
(
おこ
)
して
番茶
(
ばんちや
)
の
土瓶
(
どびん
)
を
沸
(
わか
)
し、
鮭
(
しやけ
)
を焼いて
冷飯
(
ひやめし
)
を食つた。
蓬生
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
「御前に同情した。ふうん。——ちょっとその炭取を取れ。炭をつがないと
火種
(
ひだね
)
が切れる」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼の言葉を聞いているうちに、自然にこちらも彼の信ずるとおりに信じないではいられなくなってくる。彼のかたわらにいるだけで、こちらまでが何か豊かな自信に
充
(
み
)
ちてくる。彼は
火種
(
ひだね
)
。
悟浄歎異:―沙門悟浄の手記―
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
さりげない
火種
(
ひだね
)
を
秉
(
と
)
りに。
雪
(新字旧仮名)
/
高祖保
(著)
私も冷たい手を早く赤い炭の上に
翳
(
かざ
)
そうと思って、急いで自分の室の
仕切
(
しき
)
りを開けました。すると私の火鉢には冷たい灰が白く残っているだけで、
火種
(
ひだね
)
さえ尽きているのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“火種”の解説
可燃物に点火する際に起こす小さな火。本項で記述。
1.から転じて、騒動や争いの発端となる発言や行動のこと。近年ではネット上で騒動に拍車をかけるような言動を「燃料」とも呼ぶ。
火種(ひだね)は、物質を燃焼させる上で使われる小さな火のこと。古くは摩擦熱などを利用してそれを籾殻やおがくずなどに引火させ、空気を送ることで燃焼させたものを火種とした。専用の道具として、日本では打竹、中国では火折子という道具を使用した。
(出典:Wikipedia)
火
常用漢字
小1
部首:⽕
4画
種
常用漢字
小4
部首:⽲
14画
“火”で始まる語句
火
火鉢
火傷
火照
火箸
火影
火焔
火桶
火光
火酒