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濟
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ずみ
預り
養育せしに追々
馴染につれ
愛も
優りしかば
寧そ此子を
貰ひ受んと夫婦相談の上村役人に申入しにぞ
早速其筋へ屆け
濟の上米三俵を
添て彼捨子を久左衞門へ
遣しける依て名を
聞コリヤ林藏
愈々然樣に相違
無か
若間違うては
濟ぬぞと
堅く申
渡され林藏ハイ/\決して間違ひは申上ませんと云
故役人共
然れば其方
早々栗橋へ
案内致せと
直樣申刻過頃より
出立なし三間町の虎松は是より御
用濟なりと申渡し役人は林藏を
存じ居て權現堂村小篠堤にて
殺害に及び金子百兩
奪ひ取し
趣き明白に
白状致せしにより
口書も
極り
爪印濟の上伊奈半左衞門より
引渡しと相成たり依て一通り
糺問ぞ
右口書爪印致せしからは
相違無や
何ぢや明白に申立よと
云るゝに富右衞門ははら/\と
涙を