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漬菜
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つけな
ふりがな文庫
“
漬菜
(
つけな
)” の例文
漬菜
(
つけな
)
を洗つたあとに、朝霜が白く置いてゐるのは、ちよつとインプレツシイブな感じを私に起させる。葉はもうすつかり落ちて了つた。
心理の縦断
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
甘藷を手掘りすると、早生は
赤児
(
あかご
)
の腕程になって居る。大根、
漬菜
(
つけな
)
を蒔かねばならぬ。蕎麦、秋馬鈴薯もそろ/\蒔かねばならぬ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それがそのあたりの田圃だった時分のさまを
可懐
(
なつか
)
しくおもい出させた。——それにはその道の上に
嵩高
(
かさだか
)
につまれた
漬菜
(
つけな
)
のいろ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
この
使
(
つかい
)
の小僧ですが、二日ばかりというもの、かたまったものは、
漬菜
(
つけな
)
の切れはし、黒豆一粒入っていません。
木の子説法
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「そんなこといはねえで
幾
(
いく
)
つでも
取
(
と
)
つて
置
(
お
)
けよ、
癒
(
なほ
)
り
際
(
ぎは
)
が
氣
(
き
)
を
附
(
つ
)
けねえぢやえかねえもんだから」
勘次
(
かんじ
)
は
漬菜
(
つけな
)
の
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
檐下
(
のきした
)
へ
來
(
き
)
た。
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
茹
(
ゆ
)
でたやうに
赤
(
あか
)
くなつて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
▼ もっと見る
かえって少しの光や音や動きやは、その静かさの強みを一層強く思わせる。湿り
気
(
け
)
を含んだランプの光の下に
浮藻
(
うきも
)
的生活のわれわれは食事にかかる。
佃煮
(
つくだに
)
と
煮豆
(
にまめ
)
と
漬菜
(
つけな
)
という
常式
(
じょうしき
)
である。
水籠
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
まるで大根か
漬菜
(
つけな
)
でも仕入れて歩いているような始末で、まったく大笑いです。
半七捕物帳:64 廻り灯籠
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
信濃路に帰り来りてうれしけれ黄に透りたる
漬菜
(
つけな
)
のいろは (アララギ)
島木赤彦臨終記
(新字旧仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
裏は
御母
(
おっか
)
さんや、
御祖母
(
おばあ
)
さんが
張物
(
はりもの
)
をする所である。よしが洗濯をする所である。暮になると
向鉢巻
(
むこうはちまき
)
の男が
臼
(
うす
)
を
担
(
かつ
)
いで来て、
餅
(
もち
)
を
搗
(
つ
)
く所である。それから
漬菜
(
つけな
)
に塩を振って
樽
(
たる
)
へ詰込む所である。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
手伝ひの来しより
漬菜
(
つけな
)
あわたゞし
六百五十句
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
霜にめげぬは、
青々
(
あおあお
)
とした大根の葉と、霜で甘くなる
漬菜
(
つけな
)
の
類
(
たぐい
)
と、それから緑の
縞
(
しま
)
を土に織り出して最早ぼつ/\生えて来た大麦小麦ばかりである。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
それから日に/\
秋風
(
あきかぜ
)
をこゝに見せて、其薄紫の穂が白く、青々とした其葉が黄ばみ、更に白らむ頃は、
漬菜
(
つけな
)
を洗う七ちゃんが
舌鼓
(
したつづみ
)
うつ程、小川の水は浅くなる。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
漬
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
菜
常用漢字
小4
部首:⾋
11画
“漬”で始まる語句
漬
漬物
漬物桶
漬物樽
漬物屋
漬木
漬染
漬込
漬物甕
漬物石