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湊川
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みなとがわ
ふりがな文庫
“
湊川
(
みなとがわ
)” の例文
その河原は、春木のいるところからは右手に見えていたが、その川は
芝原水源地
(
しばはらすいげんち
)
のあまり水が流れていて、
末
(
すえ
)
は
湊川
(
みなとがわ
)
にはいるのだ。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
湊川
(
みなとがわ
)
の仕事場へ来てみると、まだ露ッぽい草のなかに、
石権
(
いしごん
)
も
為
(
ため
)
も、そのほかの職人も、みな腕ぐみして、茫然と突っ立っている。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「大楠公などは偉人ですな。それだのにロクないしぶみさえない。是非建てなければなりませんな。さよう
湊川
(
みなとがわ
)
の古戦場へな」
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
味方はわずか三隻、この小さい艦隊をひきいて、小笠原島に進む木下大佐の心は、
湊川
(
みなとがわ
)
の戦場に向う、六百年前の、
楠木正成
(
くすのきまさしげ
)
の心とちがわない。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
湊川
(
みなとがわ
)
で戦死した父の首級を見て、自殺せんとして母に
諫
(
いさ
)
められ、其の後は日常の遊戯にまで、朝敵を討ち、尊氏を追う真似ばかりして居たと云う。
四条畷の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
▼ もっと見る
浜に助け舟は多かったが、後より敵が迫るので、船に乗りこむひまがない。止むなく
湊川
(
みなとがわ
)
、
刈藻
(
かるも
)
川を渡り、
板宿
(
いたやど
)
、須磨も通って西へ落ちていった。
現代語訳 平家物語:09 第九巻
(新字新仮名)
/
作者不詳
(著)
亀の遊ぶのを見たりとて面白くもなし
湊川
(
みなとがわ
)
へ行て見んとて堤を上る。昼なれば白面の
魎魅
(
りょうみ
)
も影をかくして軒を並ぶる小亭
閑
(
かん
)
として人の気あるは稀なり。
東上記
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
楠公
(
なんこう
)
が
湊川
(
みなとがわ
)
で、願くは七たび人間に生れて朝敵を
亡
(
ほろ
)
ぼさんと云いながら刺しちがえて死んだのは一例であります。
文芸の哲学的基礎
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それに比べては
僭越
(
せんえつ
)
であるが、
建武
(
けんむ
)
の昔、楠正成卿が刀折れ矢尽きて後、
湊川
(
みなとがわ
)
のほとりなる水車小舎に一族郎党と膝を交えて、七
生
(
しょう
)
までと忠義を誓われたその有様がどうやら
大菩薩峠:05 龍神の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
楠公
(
なんこう
)
にもこんな話しがある」と甲斐はゆっくりと続けた、「兵庫の
湊川
(
みなとがわ
)
で、
足利
(
あしかが
)
勢と決戦するまえに、
正成
(
まさしげ
)
はやはり禅僧それがしを訪ねて、生死関頭を訊いた、禅僧それがしは、 ...
樅ノ木は残った:03 第三部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
先ず妙子を
甲麓荘
(
こうろくそう
)
に訪ねて話をし、次に神戸の
湊川
(
みなとがわ
)
の某アパートに宿泊している三好を訪ねて、この方も話をつけて来たが、幸子がどんな風な男であったかと聞くと、案外感じのよい青年であった
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
てまえが、
湊川
(
みなとがわ
)
のご建碑を奉行しておりますあいだ、終始、懸命に働いてくれた人夫のひとりに、
勘太
(
かんた
)
という者がおりました。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
楠公は
湊川
(
みなとがわ
)
にて討死にをとげ、二代の忠臣
正行
(
まさつら
)
公には、一時この書を手に入れられたが、またもや奪われて四条
畷
(
なわて
)
にてご最期、三代の楠
正儀朝臣
(
まさのりあそん
)
も、三度この書を手に入れられたが
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
このような簡単なものは、ずいぶん古くからあったもので、僕が少年時代、神戸の
湊川
(
みなとがわ
)
が、まだ淋しい堤防であったとき、その上に掛かった小屋で、「
活
(
いき
)
人形」を見たのを覚えている。
人造物語
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
湊川
(
みなとがわ
)
合戦のときにも同じような話がある、楠公は合戦の前に
楚俊
(
そしゅん
)
という禅僧を
訪
(
おとな
)
い、『生死不識の時如何』と死に臨んでの覚悟をきいた、楚俊は答えて『両頭を裁断し一剣天に
倚
(
よ
)
って寒し』という
新潮記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
楠公一族が、忠烈な
碧血
(
へきけつ
)
をもって苔と咲かせた
摂河泉
(
せっかせん
)
の石を、
湊川
(
みなとがわ
)
まで運ばせて、大きな碑を建てよう——という計画であるらしく
窺
(
うかが
)
われた。
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湊川
(
みなとがわ
)
に立ち寄って、朱舜水の文字を刻したところの、楠氏の墓の前に
額
(
ぬかず
)
いたと、そういわれている人物であり、しかも剣は上州間庭、間庭念流流祖の正統、樋口十郎左衛門に深く学び
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
湊川
(
みなとがわ
)
、
四条畷
(
しじょうなわて
)
、
桶狭間
(
おけはざま
)
、川中島、高松城の一舟、松の間の廊下、雪の夜の本所松坂町、劇以上の劇でないところはない。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
湊
漢検準1級
部首:⽔
12画
川
常用漢字
小1
部首:⼮
3画
“湊”で始まる語句
湊
湊合
湊屋
湊橋
湊町
湊々
湊入
湊中
湊出
湊場